イランからの500億ドル踏み倒したアサド政権、ロシアには2億5000万ドルの現金運び出す
イランがシリアのアサド政権崩壊で500億ドルを失う危機に置かれたとの外信報道が出てきた。こうした中、アサド政権がロシアに数千億ウォンの現金を運び出した記録が見つかり関心を集めている。 【写真】銃撃され穴があいたアサド前大統領の写真 英紙サンデー・タイムズは15日、イラン政府の文書を入手し、シリアが石油と軍需品などでイランに返済すべき債務が500億ドルに達すると報道した。アサド政権の没落でイランがシリアに貸し付けた500億ドルも失うことになったと指摘される。アサド政権の残忍な弾圧を助けたイランに対するシリア国民の感情も良くなく、経済も崩壊してシリアがイランに負債を償還する可能性は大きくないとしながらだ。 イラン野党連合報道官も「この10年間でアサド政権に500億ドル以上を提供したが全てが消えた」と政府を非難した。あるイラン退役軍人は「なぜイラン国民の石油収入数十億ドルをアサドに最後まで使ったのか」とオンラインに投稿した。セントアンドルーズ大学イラン研究所のアリ・アンサリ所長は「イランがシリアに介入すべきだったのかをめぐりイランで大きな騒動が広がっている」と伝えた。 こうした中、この日フィナンシャル・タイムズはアサド政権が中央銀行を通じて2018~2019年に2億5000万ドルに達する現金をモスクワのブヌコボ空港に運び出してロシアの銀行に入金した記録を確保したと報道した。100ドル札と500ユーロ札で送ったこの現金は重さだけで2トンに達したという。 現金空輸はアサド政権がロシアの軍事支援に依存し、一族の財産をロシアに引き出した渦中で行われた。同紙は「ロシアがアサドの(反乱軍との)戦争を支援しロシア企業がシリアのリン酸塩供給網に参加してロシアとシリアの関係は劇的に深まった」と伝えた。 アサド一族の海外隠匿財産を探しシリア国民に返そうとする国際社会の追跡が始まったという報道も出てきた。この日ウォール・ストリート・ジャーナルはアサド一族が国営企業独占、麻薬密売で資金を蓄積したと推定されるとし、引き出した財産が最大120億ドル、最小10億ドルと推定されるという米国務省の2022年の報告書を引用した。 アサド一族はロシア、ドバイ、フランスなどに不動産などを保有しているという。国際犯罪に対抗する弁護士団体所属のトビー・キャドマン氏は「アサド一族は金融犯罪でも専門家だった」と話した。アサド大統領の妻で英国生まれのアスマ夫人は投資銀行JPモルガンの出身だ。 アサド一族の財産を制裁してきたホワイトハウスの元当局者アンドリュー・タブラー氏は「彼らは亡命に向けしっかり準備しており、資金を洗浄する時間が多かった。国際的に追跡があるだろう」と伝えた。