シャネルのジュエリー、重ねづけで魅力アップ コーデは「3×3」の法則で
■Style1:シンプルな白シャツが見違える 輝くキルティングのレイヤード
希代のファッションデザイナーであり、事業の最盛期には数千人もの従業員を抱える経営者だったガブリエル・シャネル。自身も働く女性として、生涯にわたって優雅でありながらも実用的なスタイルを追求し続けた。 その信念を今に伝えるキルティングをモチーフにしたファインジュエリーコレクション「ココ クラッシュ」が発表されたのは、上述した通り2015年のことだ。それ以前にもキルティングモチーフのジュエリーはつくられていたが、大きな違いはコーディネートのしやすさを緻密に考えてデザインされている点にある。 その組み合わせにはルールも制限もない。コレクションのなかのジュエリーを好きに組み合わせるだけでおしゃれに見えるのだから、コーディネートに苦手意識がある人には、何と頼もしい存在だろう。 まずは、ガブリエル・シャネルも愛した白いシャツの着こなしを提案したい。彼女は白いシャツやブラウスを1枚で着ることはめったになかったが、ジャケットのインナーとして愛用していた。また、白襟のついたドレスやジャケットは、シャネルの定番的なアイテムとしてよく知られている。白襟には光の反射によって顔色を明るく見せてくれるレフ板効果があり、首に重ねたパールネックレスも同様の役割を果たしていた。だから、疲れている日は顔の近くに白をもってくるといい。 そして、ジュエリーはホワイトゴールドとシャネル独自のベージュゴールドの2色を、手元と耳元にリズミカルに重ねていく。簡単なことだが、それだけでシンプルな装いに知的な華やかさが生まれる。
■初心者は2色から 「3×3」の法則で失敗知らずに
「ココ クラッシュ」にはホワイト、イエロー、ベージュの3色のゴールドがあり、アイテムによって地金だけのものとダイヤモンドがセットされたタイプがそろう。 ダイヤモンドの輝きは華やかだが、このコレクションではコーディネートに変化をつける光のアクセントと考えたい。ゴールドだけのタイプはキルティングモチーフのふっくらとした立体感、モダンなパターンがより際立つ。 シャネルのベージュゴールドは他社ではピンクゴールドに位置づけられるカラーだが、やわらかくノーブルな色味が絶妙だ。おそらく合金の銅の割合を微妙に抑えているのだろう。 白い地金はホワイトゴールドのほかにプラチナもそろうが、それはブライダル用のリングに限られる。 今回は、ベージュとホワイトのゴールドを組み合わせて、シーンを選ばないコーディネートを提案したい。 コーディネート初心者にぜひ試してほしいのが、失敗のない「3×3」の法則だ。指に3点、腕に3点、耳に3点のジュエリーをレイヤードしていく。2色のゴールドのどちらかをベースにして、リング3本、ブレスレット3本、イヤリング1組とイヤーカフ1点を選ぶだけ。幅の違うものを組み合わせると、印象に変化が生まれる。 慣れてきたら、ネックレスを足して、他のアイテムを引くのもいい。“慣れること″は意外と重要だ。使い慣れないものを身につけると、最初はぎこちなさや違和感が覚えることが多い。その感覚は見ている人にも伝わる。おしゃれ上級者は、新品が新品に見えることを嫌う。それはものが自分になじんでいないことを意味しているからだ。