ロッチ・コカド 銭湯に行ったまま今も戻らない父。その分、母と姉から目一杯甘やかされて…「中岡くんから言われるまで自分を可哀想な境遇と思ったこともなかった」
◆コントを作れるなんて何者なのかと 40歳から趣味探しを続けてきましたが、とにかく「仕事につながるという下心では選びたくない」と考えてきました。まったく下心が存在しないものが、「趣味」にする条件の一つだったのだけど……結局、ミシンは本に。(笑) でもそれが僕の理想とする形なのかもしれません。本当に好きなものを好きでいて、その結果、それが仕事になるというのなら悪くない。 見ている方は、芸人でもタレントさんでも「こいつ仕事ほしくて、この趣味やってるんやな」というスケベ心が見えてしまえば、一気に冷めるもんですよね。 ただ、僕のInstagramやYouTubeに関心を持っていただいた方には、「こいつ本当にミシンが好きなんやなぁ」というのは伝わっているのかな、と自負しています。 なんだったらミシンを踏んでる僕のことしか知らない人もフォロワーさんの中にはいます。 動画配信中、ライブ前でコント作りに追われている、という話をしながらミシンをかけていたら、「コントを作るなんて、コカドさんは一体何者なんですか?」というコメントが飛んで来たこともありました。(笑)
◆最高の休日の過ごし方 今、僕の最高の休日の過ごし方は、ミシンセット一式を置かせてもらっている千葉の友人宅に行き、天気が良かったらサーフィン、良くなかったらミシン、というもの。 サーフィンも趣味探しの後に残ったものの一つ。外から見たら、サーフィンとミシンは全然違うものに映るかもしれませんが、頭の中身が空っぽになって、ただそれだけを楽しむことができる、という点では僕にとって一緒です。 ミシンを押し入れの中に眠らせたまま、って方が結構いるように聞きます。 そのミシンを買ったきっかけは、お子さんのものなのか、家のものなのか、とにかく何かを「作らなければいけない」という義務だったかもしれません。 でもミシンを趣味としている自分としては、しまったままのみなさんも、そのミシンを一度引っ張り出してきて、今度は純粋に“楽しもう”という気持ちで触ってみてほしいです。 僕も多分、仕事で“いついつまでにこのバッグ作ってください”と言われてミシンを渡されていたら、こんなワクワクする気持ちになれなかったはずなので。 (構成=岡宗真由子)
コカドケンタロウ