江本孟紀氏「やっと来られた」涙のセンバツ出場辞退から11年…阪神移籍で因縁の甲子園が本拠地に 巨人戦ではベンチにいる憧れの長嶋氏を見ながら投げた!?
昭和後期のプロ野球に偉大な足跡を残した偉大な選手たちの功績、伝説をアナウンサー界のレジェンド・德光和夫が引き出す『プロ野球レジェン堂』。記憶に残る名勝負や“知られざる裏話”、ライバル関係とON(王氏・長嶋氏)との関係など、昭和時代に「最強のスポーツコンテンツ」だった“あの頃のプロ野球”、令和の今だからこそレジェンドたちに迫る! 【画像】王貞治氏を得意としていた江本氏…驚異の通算対戦成績 長身から投げ下ろすカーブ・フォークを武器に、東映(現・日本ハム)、南海(現・ソフトバンク)、阪神と渡り歩き通算113勝をあげた江本孟紀氏。引退後に執筆した著書「プロ野球を10倍楽しく見る方法」は200万部を超えるベストセラー。野球解説にとどまらずタレント、政治家などマルチな分野で活躍する球界のご意見番“エモやん”に徳光和夫が切り込んだ。 【中編からの続き】
因縁の甲子園が本拠地に
阪神に移籍した江本氏。高校時代に出場辞退を余儀なくされ悔し涙を流した因縁の甲子園球場が本拠地になる。 江本: 阪神の入団発表の日、甲子園球場にカメラマンがいっぱい来て、マウンドでポーズを取るわけですよ。そのときに思ったんです。「これは何の因果か。ここが本拠地になる? 俺の」みたいなことを。甲子園って俺を1回、蹴っ飛ばしたところじゃないか。 徳光: まさにそうですよね。 江本: スタンドを見て、「あそこで俺は悔し涙を流したよな」って。 徳光: その場所も分かったんだ。10数年ぶりに本舞台に上がれたわけですね。 江本: そうそう。最後に来られた。
初めての巨人戦…ベンチの長嶋監督に釘付け
江本: 後楽園球場の巨人・阪神戦に先発したんですよ。そのときに「来たな、ここまで」と思いました。一塁側のベンチを見たら、なんとあの憧れの長嶋茂雄様がいるじゃないですか。 徳光: 監督として。 江本: それが格好いいんですよ。マウンドから(キャッチャーの)田淵さんを目がけて投げながらも顔は一塁側ベンチを向いてますから(笑)。長嶋さんのほう見てた。 徳光: あっち向いてホイだ(笑)。 江本: ガキのときから憧れてね、やっとここまで来ましたよ。もうそれだけで嬉しかったですね。
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