井上尚弥と激闘演じたドネアが計量失格ネリの後釜狙いを宣言
ボクシングの元5階級王者でWBSSの決勝でWBA・IBF世界バンタム級王者、井上尚弥(26、大橋)と激闘の末、判定負けを喫したノニト・ドネア(36、フィリピン)が23日(日本時間24日)、「PBC」(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)のビッグ興行が行われた米国ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナを訪れ、ボクシング専門メディア「ボクシング・シーン」のビデオインタビューに対し注目発言を行った。 WBC世界ヘビー級王者、デオンテイ・ワイルダー(米国)がルイス・オルティス(キューバ)との再戦を7回、右ストレート一発の衝撃KOで終わらせたメインイベントの前座では、WBC世界バンタム級王者への挑戦者決定戦として、元WBC世界同級王者のルイス・ネリ(メキシコ)と元IBF世界同級王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との試合が組まれていたが、ネリが、450グラムオーバーで前日計量に失格。ロドリゲスがファイトマネーの上積みによる試合実施を拒否したため試合は中止になっていた。 WBC世界同級王者、ノルディ・ウーバーリ(フランス)への挑戦権を争うバンタム級のトップ戦線の戦いを見届けることも兼ねてラスベガスを訪れていたドネアは、ネリの計量失格について聞かれて「(今後)自分がそのポジションに入っていければと思う」と宣言した。 つまり元WBC世界同級王者、山中慎介との試合での体重超過に続く度重なる失態でWBC及びプロモーターの信頼をなくしWBCのタイトル戦線から大きく脱落したネリの後釜として、自らWBCのベルトへの挑戦者争いに立候補したのだ。 ネリの計量失格で挑戦者決定戦が流れたことで、井上拓真(23、大橋)が判定で敗れたウーバーリの指名試合は宙に浮いてしまった。現在、ランキング1位のネリの陥落は間違いなく、2位にナワポーン・カイカニャ(タイ)、3位にロドリゲス、4位にはドネアが入っており、今後、ロドリゲスとドネアの間で指名挑戦者決定戦が設定されても不思議ではない。 「それを望んでいるのか?」という質問に対しても「その通りだ。同じ階級(バンタム級)に留まる。この階級では、自分は強さを維持できるし、自分は、ここで戦い続ける」と断言した。 井上尚弥との試合では2ラウンドに左フックのカウンターをヒットさせて右目眼窩底骨折を負わせ、12ラウンドを戦いきったことで、バンタム級での戦いに自信を深めたのだろう。