「旅行中、痛み止めを100錠ぐらい飲んで…」ドイツから急遽帰国した梅宮アンナ(52)が明かす、右胸の摘出手術とSNSの声
ヌーブラみたいな感じで装着できる疑似乳房を作ろうかなって
ーー抗がん剤投与が、2週間に1回だと。最近は抗がん剤投与の副作用を抑える薬もありますが、それでも負担は生じてきますか。さきほど、脱毛の話も出ましたが。 アンナ 吐き気に関しては、私の場合だと吐きづわりみたいな感じでした。食べないと気持ち悪くなるので、逆に食欲が湧いてきて。それもあって、5キロ太ったし。 しびれは、どうなるかわからない。9月25日から4クールの抗がん剤を始めたんだけど、その後にやる4クールでパクリタキセルって抗がん剤を投与するんだけど。それが末梢神経に来やすいらしいんだけど、人生で手足がしびれるってことがなかったから、想像ができなくて。でも、一番最悪な事態を想定するようにしています。いいほうで考えていて、そうじゃないとショックがデカいから。悪く考えておいて「あ、すっごい楽だった」と思えたほうがいいでしょ。 ーー乳房の摘出後に再建することは考えていますか。 アンナ 絶対しない。最初は両方とも取ってくださいって言ったの。こっちもいらないって。片方だけ残ってるのもバランス悪いから、両方取りたかったけど、それはダメなんだって。 再建手術は背中から肉を持ってきて作るんですけど、術後のケアが大変なんですって。で、ヌーブラみたいな感じで装着できる疑似乳房みたいなものがあるんですよ、それを作ろうかなって。
医療のことをちゃんとお話しできるようになることが、これからの私の役割
ーー今後の治療は? アンナ 手術を終えて体調が普通になったら、放射線。週5日です。「毎日通うから、定期が要るじゃん」みたいな。回数にすると、16回から18回ぐらいで終わりそうですと言われてて。それが終わったら、10年間飲み薬を飲むそうです。ほんと、長い長いジャーニーだなあって。 ーー50代になると、年代的に死というものを少なからず意識するようになります。かといって、まだ死ぬ年代だとは考えていないところもある。そうしたなかで、命に関わる事態に見舞われたことについて、なにか思うことってありますか。 アンナ 人間の寿命って、決まっている気がするんです。早く亡くなるから不幸だってことはないんじゃないかな。よく「あんないい人が、こんな早くに亡くなっちゃって」ってあるけど、その人は生きてきた分の何倍も内容の濃い人生を生きたんじゃないかなって。 そうなってくると「私の明日がどうなるかわからないけれど、いいことをちゃんとやって人生を終えたいな」と思っていて。世の中からバカだアホだと言われてきましたけど、医療のことをちゃんとお話しできるようになりたいなと。それが、これからの私の役割なんじゃないかなと。私の寿命が65歳に決められてるか、90歳に決められてるか、わからないけど、その役割を果たしてからじゃないと死ねないなと思ってます。 写真=鈴木七絵/文藝春秋
平田 裕介