「旅行中、痛み止めを100錠ぐらい飲んで…」ドイツから急遽帰国した梅宮アンナ(52)が明かす、右胸の摘出手術とSNSの声
「ソクラテスとかニーチェの本が、一番効いた」
ーーアンナさんは、がんになってから言われたり、見聞きした言葉で、響いたものはありますか。 アンナ がんの告知を受けて、バーッとがんにまつわる本を買ったんですよ。がんになった著名人の本とかも含めて、いろいろと。で、片っ端から読んでみたんだけど、ピンとくるものがなにもなかった。がんになったからって、がんの本からなにか教わるってことがなくて。 結局、ソクラテスでした。哲学。 ーーえ。 アンナ ソクラテスとかニーチェの本が、一番効いた。15年くらいまえに山登りにハマっていた時期があって、その頃に哲学書を読むようになって。そのときにも、みんなから「どうしたの?」みたいなこと言われたんだけど。 「無知は罪なり」というソクラテスの言葉があって。無知だと、やっぱり生きられないんですよね。いろんな知識を身につけることで、惑わされないし、怖くなったりすることが減るんですよ。それと、知識がないゆえに無責任なことを言って、誰かを惑わしたり、怖がらせたりすることがない。 他者の体験談で救われることもあるんだろうし、救われたならばそれでいいんだろうけど、私にはそれがなかった。うちのパパがやってきたことが効いたとしても、そういうのって人それぞれだし、たまたまなわけだから「私のパパがこうだったから、そうして」と勧めることはできない。自分の方法を自分で見つけて、それを信じて突き進むしかないんですよ。 ーー無知は、そうした部分に繋がると。 アンナ がんには糖質制限というのが、自分にとってよかったとしても、他の人には勧められない。それはその人の体験であるわけだし、がんって人それぞれスタートポイントが違うし、部位も違うので。 ーー僕の妻が大腸がんに罹患したとき、自分の昔の写真を見て「この頃は、アホ面してお気楽そうだな」と思ったそうです。アホ面って言葉はアレですが、アンナさんもそうしたことを思ったりは。 アンナ 去年の写真をインスタとかで見ていて「このとき、がんになるなんて絶対に想像すらしてないんだよね」とは思った。でも、いまのほうが生き生きしてると思う。やっと、私にとっての大事な仕事が来たなって。