年末恒例の「余り予算の消化」でも、 パフォーマンス 重視の傾向が高まる
記事のポイント マーケターが四半期計画とパフォーマンス重視へ移行し、年末の予算使い切り依頼が減少。 売上目標達成が求められ、広告費の正当性や効果が厳しく問われるように。 土壇場での対応の負担軽減のため、早期計画と緊急対応策の重要性が強調される。 これまで、広告バイヤーは年末が近づくと、マーケターからその年の残りの広告予算を使うよう依頼されたものだった。使わなかった予算が来年に失われることを、マーケターが恐れていたからだ。おかげで、過去には「非合理的な予算の破棄」が行われることもあった。 だが、この2年間でマーケターが四半期単位の計画サイクルに移行し、パフォーマンスマーケティングに照準を合わせるようになったため、このような慣行はかなり減少している。 この手の要請は、年間広告予算が3億~4億ドル(約450億~600億円)を超える大手マーケティング会社から来ることが多いと、匿名を希望したあるメディアバイヤーは述べている。経験的には、マーケティング支出が大きい企業ほど、年末までに広告予算を使い切ろうとしたがるようだ。 その上、このような依頼でも、より厳格な投資を求められるようになっている。米DIGIDAYがこの記事のために取材した7人の広告バイヤーの話によれば、マーケターは広告バイヤーに対し、コスト削減に熱心な最高財務責任者(CFO)の手に渡るのを避けるために広告費をどこかにプールするのではなく、売上目標の達成に役立つパフォーマンス重視の使い道を見つけるよう求めてくるのが一般的だという。 しかも、マーケターの広告予算がますます削られて、パフォーマンスを重視する傾向が強まり、さまざまなプラットフォームで日々のパフォーマンスを追跡できるのが当たり前になったことで、広告バイヤーに対する説明責任は全体として高まっている。その結果、一部の広告バイヤーが言うところの「余り予算」の消化時期においても、支出に関する説明責任を求められることが増えているようだ。 「これまでは、100万ドル(約1億5000万円)規模の『使わなければ失われる』予算の消化を求める依頼が、土壇場になって寄せられていた」と、メディアエージェンシーのヴェイナーメディア(Vayner Media)でリテールメディア担当グローバル責任者およびシニアバイスプレジデントを務めるマイク・フェルドマン氏は振り返る。