横浜開催の多さに「5番問題」…タレントぞろいのソフトバンクにも悩みの種 注目はリーグ唯一の3割打者の使いどころ
【名物記者コラム #好球筆打】 ◆SMBC日本シリーズ2024 ソフトバンク前日練習(25日、横浜) ■大量19人指名【ドラフト選手一覧】 いよいよだ。26日、待ちに待った日本シリーズが開幕する。ソフトバンク小久保監督は決戦前日恒例の監督会議で「まずは日本シリーズという舞台に立てることに感謝しています。パ・リーグ覇者として、パ・リーグ全球団を代表して、シリーズに挑むという決意を持って戦いたい」と闘志をむき出しにしていた。 レギュラーシーズンは貯金42と圧倒的な強さでリーグを制した。日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)も無傷の4連勝(アドバンテージの1勝含む)で突破したチームにとって、日本シリーズは4年ぶりに帰って来た「頂上決戦」でもある。 一方、相手のDeNAはレギュラーシーズンを貯金2の3位に終わりながら、CSでは阪神、巨人を連破して勝ち上がってきた。しかも、シーズン2位の阪神には初戦からの2連勝で寄せつけず。リーグ覇者の巨人には3連勝からの2連敗で逆王手をかけられながら、最後は力で押し切るなど勢いは十分だ。 そんな状況にありながらも、下馬評は「ホークス有利」の見方が強い。両チームの間にはそれだけ力の差があるということだろうか。リーグが異なるため投打におけるシーズン成績の単純比較は意味を成さないのかもしれないが、下馬評通り、個人的にも「タレントぞろい」のホークスに分があるのではと思っている。 ただ、優位に見られるホークスにとって何よりの不安点は、その「タレントの一人」でもある近藤がフル出場を果たせない状況にあることだろう。シーズン最終盤に痛めた右足首の状態は依然として一進一退の状態が続いており、日本シリーズ開幕前日のこの日も守備練習に時間を割くことはなかった。恐らく、日本シリーズ期間中は指名打者が使えない横浜での試合に限り、代打待機となるはずだ。仕方がないとはいえ、4年ぶりの日本一を目指すチームにとっては痛手だ。 しかも、巡り合わせが悪いことに今年はセ・リーグ本拠地での開幕となり、チームはその痛手の状態で最大4試合(第1、2、6、7戦目)を戦わざるを得ない。さらに4番山川の後ろを打つ「5番打者問題」も新たに浮上するだけに、首脳陣にとっては悩みの尽きない日本シリーズとなることが予想される。 近藤が代打に控えるのは何より心強いとの見方もできるが、近藤が代打で出場する場面というのは「ここ一番の勝負どころ」に限られるはずだ。それはすなわち僅差の試合を意味しており、チームが劣勢に立たされている可能性が高い。そういう意味ではホークスにとって4年ぶりとなる日本一奪取のカギは、近藤のバットが握っているのかもしれない。今季は打率3割1分4厘で自身初の首位打者に輝いた「リーグ唯一の3割打者」の使い道にも着眼し、最高峰の戦いを追う。(石田泰隆) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社