「着信音に緊張する」「留守電に入れられない」…電話恐怖症かわかる8つのチェックと、絶対試すべき克服法
『電話恐怖症』#3
現代のコミュニケーションは、LINEやメッセンジャーなど文字ツールが主体となって行われている。しかし、そのせいで「電話が怖い」「電話が苦手」という人が近年増加傾向にあると産業カウンセラーの大野萌子氏は指摘する。そんな「電話恐怖症」かどうかのチェックリストと克服方法を紹介しよう。 【画像】電話恐怖症チェックリスト 『電話恐怖症』 (朝日新書) より、一部抜粋・再構成してお届けする。
電話への恐怖をやわらげる段階的暴露法
電話への恐怖はいろいろあります。 電話機に慣れていなくて、電話機そのものが苦手な人もいれば、かけるのがこわい人、受けるのがこわい人、電話でクレームを言われたり、言われたことの理解ができなかったりするのが嫌な人などさまざまです。 いずれにしても、電話恐怖症の人は電話そのものに苦手意識を持ってしまっているので、まずは電話というツールに慣れることが先決です。 ツールに慣れるには「段階的暴露法」という方法があります。 少しずつ対象に慣らしていくというもので、たとえばエレベーターに乗れない人が、最初はエレベーターの前まで行って戻る。それをくり返して、大丈夫になったら、今度は扉が開くまで待っている。 扉が開いても大丈夫になったら、今度は乗ってすぐ降りるをくり返します。それができるようになったら、いよいよ一階上までエレベーターで行ってみる。 そのようにしてエレベーターに慣れていくのが「段階的暴露法」です。 電話の場合だったら、家庭内で電話機に慣れる練習をするといいでしょう。 固定電話の親機と子機を使ってもいいですし、固定電話がなければ携帯電話で違う部屋からかけてもらってもいいでしょう。 まずは家族や気心の知れた友人に電話を鳴らしてもらいます。着信音が鳴ったら、電話に出る。最初は出るだけ。すぐ切ってかまいません。鳴ったら出てすぐ切る。鳴ったら出てすぐ切る。 着信音に慣れてきたら、次は電話に出たあと、ひと言言って切ります。 「もしもし」でも「こんにちは」でもかまいません。それにも慣れたら、少し電話で話してみます。そうやって少しずつ段階的にできるハードルを上げていくのです。 その方法が難しければ、新規の美容室やレストランに問い合わせの電話をしてみるのもいいでしょう。万一、電話で何か失敗しても、そこには行かなければいいだけなので、気が楽です。 コールセンターや電話相談窓口に電話してみるのもいいでしょう。 今はメールやチャットで問い合わせができますが、そこをあえて電話してみるのです。コールセンターや電話相談窓口は丁寧に応対してくれるので、やりやすいと思います。 「少しお待ちください」と言われたときには、「ではかけ直していただけますか」と一度電話を切って、向こうからかけてきてもらうのも練習になります。 電話が苦手な人は、自分に電話がかかってくること自体、少ないと思うので、なるべく人からかけてもらうような状況をつくりましょう。