上村吉太朗 『俊寛』千鳥「かわいくて純粋。強い一面も持つ娘」【今月の歌舞伎座、あの人に直撃!! 特集より】
菊之助さんの俊寛に「敬い慕い、心を寄せて勤めたい」
── 菊之助さんとのご縁といえば、『新作歌舞伎 ファイナルファンタジー X』(2023年3,4月)や、『マハーバーラタ戦記』(2023年11月)に吉太朗さんも出演されていますね。 吉太朗 国立劇場の『義経千本桜』(2022年10月)で若葉の内侍で使っていただいてから、続けてお役を頂けるようになりました。本当に気さくに話しかけてくださいますし、折に触れてお芝居の深いお話を聞かせてくださったり。今回菊之助さんも初役で、まさに挑む思いでいらっしゃると思うんです。その俊寛を敬い慕い、心を寄せて勤めたいと思っております。 ── 改めて、「上村吉太朗の千鳥」、どこに注目してほしいですか。 吉太朗 やはりサワリですね。千鳥の見せ場ですし。また物語が動いているその中で、脇にいるときの千鳥も見ていただけたらありがたいです。こんな状況になってしまって、この娘はどんな気持ちでいるんだろうと想像しながら。そして千鳥を通じて、少しでも僕のことを知ってもらうきっかけになればこんなうれしいことはありません。 取材・文:五十川晶子 <プロフィール> 上村吉太朗(かみむら・きちたろう) 2001年2月26日生まれ。2007年5月第三回みよし会『傾城阿波の鳴門 国訛嫩笈摺(くになまりふたばのおいずる)』「どんどろ大師の場」巡礼お鶴で上村吉太朗を名のり初舞台。2009年11月、8歳で五代目片岡我當の部屋子となり、12月南座『時平の七笑』の稚児松乃丸で部屋子披露。近年は『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』のリュックや『新作歌舞伎 刀剣乱舞』の膝丸など、人気ゲーム作品のキャラクターも勤めた。 <公演情報> 歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」 【昼の部】11:00~ 一、『平家女護島 俊寛』 二、『音菊曽我彩 稚児姿出世始話』 三、『権三と助十 神田橋本町裏長屋』 【夜の部】16:30~ 一、『婦系図 本郷薬師縁日/柳橋柏家/湯島境内』 二、『源氏物語 六条御息所の巻』 会場:東京・歌舞伎座