「かかりつけ医」を持つメリットは?「リフィル処方箋」って何? 適切な“医療機関のかかり方”を専門家が解説!
◆健康の相談をしやすい「かかりつけ医」を見つけよう
医療機関の上手なかかり方の1つとして“かかりつけ医を持つこと”が挙げられます。コミュニケーションが取りやすく“信頼できる”と思った医師をかかりつけ医として持っていれば、体調が悪いときなどに安心して相談できます。健康診断や予防接種の際に、通いやすい診療所やクリニックを探してみてください。 かかりつけ医を持つメリットはいろいろあり、矢野さんは「ちょっとした体調の変化にも気付きやすくなるため、病気の予防や早期発見、早期治療が可能になります。また、病気や症状、治療法などについて的確な診断をしてくれますし、症状に応じた専門家や専門病院を紹介してくれます」と言います。 その一方で、普段ならかかりつけ医を相談する状況であっても、夜間や休日などで利用できないケースも。そういうときは、電話で相談できる「#7119」を利用しましょう。 現在は全国36地域の一部の都府県や市町村での運用に限られていますが、医師や看護師、相談員が電話で急な病気やケガに関わる相談に対応してくれます。また「#7119」が設置されていない地域の場合でも、相談窓口が設けられている可能性があります。あらかじめ地方自治体に問い合わせて電話番号を控え、もしものときに備えると安心です。 また、休日や夜間に子どもの症状に困ったとき、病院を受診したほうがよいか、どのように対処したらいいのか、などを相談できる全国共通の電話番号「#8000(子ども医療電話相談事業)」もあります。「(電話をかけると)お住まいの都道府県の相談窓口に転送され、小児科の医師や看護師が子どもの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する医療機関についてアドバイスしてくれます」と解説します。
◆「リフィル処方箋」とは?
私たちが医師の負担軽減に協力できる方法は他にもあります。その1つが“リフィル処方箋”です。2022年4月1日より導入されたリフィル処方箋とは、医師の処方により、薬剤師との適切な連携のもと、一定期間内に最大3回まで反復利用できる処方箋のことです。 このメリットは、医師の診察を受けなくても薬を受け取れるため、患者は通院にかかる時間や診察代の負担を軽減でき、通院が大変なご高齢の方や忙しい現役世代にとっても有用です。それだけでなく、医療機関の混雑の緩和や医師の労働時間を軽減することにもつながります。 ただし、誰にでも処方されるものではなく、症状が安定している方が対象となります。例えば、高血圧や糖尿病、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などで定期的に通院している場合などが挙げられます。 リフィル処方箋が出された場合、1回目は、通常の処方箋と同様に交付日を含めて4日以内に薬局で薬を受け取ります。薬がなくなる予定の日を次の調剤予定日とし、次からは原則として、その前後7日以内に薬局で薬を受け取ります。 なお、リフィル処方箋による投薬期間中であっても、気になることがあれば病院を受診できますし、2回目、3回目に薬局で薬を受け取る際も薬剤師に相談でき、場合によっては薬剤師が医師の受診を勧めることもあります。 最後に矢野さんは「医師の長時間労働など、医療現場の現状はひっ迫しています。これからも地域に必要とされる医療を提供するためには、私たちの協力が必要です。一人ひとりが、かかりつけ医を持っていただくことでも医師の働き方の改善につながります。また、リフィル処方箋についてぜひ知っていただき、気になる方は医師に相談してみてください」と呼びかけました。 番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「上手な医療のかかり方とリフィル処方箋」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。 村上は“かかりつけ医を持とう”という点を挙げ、「最近“かかりつけ医”とよく耳にしますが、きちんと意識することは大事だなと思いました」と話します。続いて、杉浦は“リフィル処方箋、あります”とスケッチブックに書き、「全員に処方されるわけではありませんが、リフィル処方箋の存在を知っておいてほしいです」とコメントしました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」11月24日(日)放送より)