MakerDAOをスクラップにした理由、創設者ルーン・クリステンセン氏が自ら説明【インタビュー】
焦点はイールドファーミング
──何か言っておきたいことはあるか? 今、私にとって重要なのは、ローンチシーズンがどれだけ重要なものになるか、ということだけだ。新しいブランド、新しいトークン、新しいアプリなど、新しいことがたくさんあり、説明はかなり難しいかもしれない。DAI保有者であれば、様々なオプションを選ぶことができる。本当に、本当にパワフルだ。 我々は2年間かけて、DeFiが始まって以来学んできたことをすべて抽出した。そして、それらの重要な要素をシンプルで使いやすいものにしようとしている。 キラー機能はイールドファーミングで、多くの人の関心を引くと思う。しかし、事前に説明するのは難しい。ステーブルコインで慣れ親しんでいるような低リスクでお金を貯めることができるだけではなく、同時に非常に興味深く、価値あるトークンを手に入れることができる。 ──イールドファーミングは、マーケティング費用と表現されることがあるが? 他の企業が行ってきたイールドファーミングの古いバージョンは、そのようなものだと思う。しかし現在では、イールドがプロトコルを持続可能なものにするようなシステムを設計している。 以前は、たとえステーブルコインを使用していたとしても、未検証の新しいスマートコントラクトを使用していたため、技術的なリスクが大きかった。 我々の場合、技術的なリスクはない、あるいは非常に小さい。メーカーシステムの他のすべての要素と同様に安全だからだ。金融リスクはあるが、新しいサブDAOとトークンには多くのインセンティブがある。 ──10年後、テザー(Tether)はどうなっていると思うか? おそらく今よりも大きくなっていると思う。エスケープ・ベロシティ(ロケットが重力圏を離れて宇宙に飛び立つために必要な速度のこと。企業が指数関数的に成長を始めるポイントを意味する)に達しているのに、(ユーザーに)いかなる利回りも払っていない。便利なので、どんどん成長している。 ステーブルコインを便利なものにしている第一の要因は、ネットワーク効果だろう? 多くの人がテザーを使っているから、人々はテザーを使っている。すでにフライホイール(ビジネスを継続し、成長させ続ける一定のサイクル)が出来あがっている。 我々も、そのようなところまで行きたいと考えている。しかし、エンドゲームでは、少なくとも我々がコントロールできる時間枠の中でそのポイントに到達することは保証できないと考えている。だから我々は、巨大なネットワーク効果を必要としない成長の原動力を得るために、イールドに焦点を当てている。 そして、イールドという成長の原動力を利用して、巨大なユーザーネットワークを構築し、複合効果のようなものを得ることができるかもしれない。たとえそれが通貨として使われなくても、大成功して利益を生むかもしれない。もしかしたら、テザーのようなものに対する貯蓄口座のようなものかもしれない。 ──素晴らしい。率直に答えてくれて感謝している。 こちらこそ、ありがとう。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:メーカーDAOの共同創設者ルーン・クリステンセン氏(Trevor Jones|原文:Rune Christensen Explains Why He Wants to Remake Maker and Kill DAI
CoinDesk Japan 編集部