バブル最盛期並み 米国の住宅市場、コロナ禍で思わぬ活況
新築住宅も好調…米経済の強い回復力
また中古に比べて市場規模が小さい新築販売も好調です。9月の新築販売件数は95.9万件とこちらも住宅バブル最盛期の水準に並んでいます。そうした旺盛な需要を背景に、新築住宅の着工件数(戸建て)は100万件を超えるペースで増加し、前年から20%強の伸びを示しています。その活況は、住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数に現われています。直近の数値は、1985年の統計開始以来の最高を3か月連続で更新しています。このように現在の米国住宅市場はあらゆる指標が著しい改善基調にあり、米国経済の回復力の強さを物語っています。 米国のGDP(国内総生産)は、個人消費と住宅投資で約7割を占めます。したがって、どんなに経済の不透明感が強かったとしても、人々が消費に積極的である以上、実体経済は強さを保つことができます。コロナ禍の長期化で人々のマインドが委縮し、節約志向が強まり、消費が停滞してしまうことが危惧されますが、好調な住宅関連指標を見ている限り、現在のところその心配はなさそうです。
---------------------- ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。