死ぬまでにお金を上手に使い切る 元メガバンク支店長が教える「お金」「健康」「時間」の組み合わせ方
2025年になりました。お金のプランについて考える良いタイミング。今年も物価は上昇し、手取り収入も増えず、苦しい生活は続きそう。先行き不透明な時代を生き抜くために、元メガバンク支店長でお金の専門家・菅井敏之さんは、「お金に対するリテラシーを高めよ」と言います。大好評の短期集中連載「教えて! 菅井さん」第2弾の3回目のテーマは、ちょっと意外、「お金を使い切りましょう」。 一生お宝になるかも!?【大型の高配当株30銘柄】はこちら! ――お金を使い切る、ですか……。 いま、日本の個人の金融資産は2000兆円を超えています。将来、自分の生活がどうなるかわからない不安からお金を貯めるのは合理的な考えです。しかし節約志向が先行するあまり、毎日をどう過ごすか、どう楽しむかに意識が向かなくなり、3000万円とか、4000万円とか、人によっては1億円近いお金を残したまま亡くなってしまう。その結果、その資産はどうなるか。基礎控除などを引いた額が相続税の対象となります。必死に貯めたお金の多くが税金の対象となり、子どもたちがその税金の支払いに追われることになるのです。 ■「なんてもったいないお金の使い方だろう」 ――親が貯めれば貯めるほど、子どもが払う税金が増える。 そう考えてもおかしくないです。金融資産は相続税の評価額として100%そのままの金額が計算されます。もったいないですよね。我慢せずにやりたいことをやって「お金を使い切る」という意識であれば、もっと充実した幸せの日々が送れるのに、と思います。現に銀行員時代も「何かあるかもしれないから」という理由で50歳を過ぎても60歳を過ぎても70歳を過ぎても貯金し続けている方たちを多く見てきました。それらを見るにつけ、「なんてもったいないお金の使い方だろう」と思っていました。幸せな人生とは、金持ちになることではなく、より豊かに充実した日々を過ごせることです。上手にお金を使い切るということも、お金の専門家として伝えたいことなんです。