タイパ重視に疲れ…「要領良く効率良く」なくても美味しく作れる「バターシュガートースト」
「ゆっくりと、待ちましょう」
店主に促され、専用のエプロンをしめ、食パンにバターを塗り、砂糖をふりかけ、オーブントースターに入れる。あとはトースターの前で待つだけ。だが、あゆむは過去の失敗を思い出し、タイパよく動かなければと、片づけを始めようとする。 そんなあゆむに店主は言う。 「今は、だいじょうぶです。いっしょに、ゆっくり、パンが焼けるのを待ちましょう」。 トースターの中でじんわり溶けて、徐々にパンに染みこんでいくバター。ゆっくりと色づき、きつね色に変わっていく様子を見ているうちに、あゆむの気持ちも落ち着いてくる。 できたてのシュガーバタートーストのおいしさをかみしめ、あゆむは自分の歩幅で歩けばいいと気づくのだった。 ◇漫画の優しいタッチと色使い、リアルな主人公の悩み、何よりおいしそうなお菓子のイラストに、SNSでは、「泡だて作業のいらないお菓子ばかりなので、自分でも作れそうです」「あまりの優しさに本ごと抱きしめたくなります」「心に傷を抱えた登場人物たちが、お菓子作りを通してじんわりと癒されていく過程で、自分自身の傷も癒えていく感覚になります」などの声が寄せられている。 丁寧なイラストレシピはフルカラー、作ってみたい、食べてみたい気持ちにさせられる。 続く第2話「『予定がないのに友達の誘いを断るのは×?』ひとりで過ごしたい週末の『バウムクーヘン』」の主人公は、たくさんの友達のいるリア充な大学生まどか。 サークルは楽しく、友達も多い。週末だって誘われる。そんなまどかは、何に苦しくなるのか。 第2話で詳しくお伝えする。
まつざき しおり、FRaU マンガ部