ゴーン氏再逮捕 弁護人の弘中氏が緊急会見(全文1)合理性も必要性もない逮捕
弘中氏「ゴーン氏の奥さんのパスポートや携帯電話まで押収された」
それから、さらに幾つかの問題あります。1つは、これも一昨日、私がここで会見させていただいたときに4月の10日から20日の間のどこかで、ゴーンさん自身がここで会見をする、そのための準備をしているということを申し上げました。その準備が調ったもんですからゴーンさんは昨日、Twitterを通じて4月の11日にここで記者会見をして、自分の考えていること、自分の思ってることを全部お話ししたいということを広く知らせました。 結果的に一種の口封じといいますか、この会見が、この逮捕によって妨害されるということになりました。もちろん拘留が認められなければ、4月11日、つまりゴーンさんが自由の身になってれば予定どおり記者会見は開きますが、現在それが危うくなってるという実情があります。 それから3つ目に、これはもう非常にけしからん話なんですが、逮捕に伴う捜索、押収として、ゴーンさんは持っていた電話であるとか、あるいは書類であるとか、ノートであるとか日記であるとか、全部持っていかれました。これは建前とすると、法律の建前としては、被告人の手元には当該犯罪に関係する証拠がある可能性があると。だからそれを押収するという構造になってます。 しかしゴーンさんはこれまでに3回逮捕されてるわけですから、問題になってる10年ぐらい前の案件についての関連するものは、とっくの昔に全部持っていかれてます。今回の逮捕のときというのは、制限住居の狭い家の中に持ってた裁判のための資料とか、そういうものばかりです。それを全部持っていくということはいったい合理性があるのか、許されるのか。これは明らかな防御権侵害である、弁護権侵害であると思います。 同時に、今回たまたま奥さんが一緒にいたということで、ゴーンさんの奥さんのパスポートだとか携帯電話とか、検察は全部それを押収して持っていきました。ゴーンさんの奥さんは容疑者でもありません。にもかかわらず、そういったパスポートから携帯電話まで全部押収していったということは、いったい許されるんでしょうかと。 われわれはこのゴーンさんの奥さんの電話の中には、プライベートなものであるとか、あるいは彼女の弁護士とのいろんなやりとりであるとか、そういった記録もありますので、そういったものは一切閲覧の対象にしないようにという申し入れ書を出しましたけれども、それ以前にも申し上げたとおり、弁護に必要な、あるいは被告人としての公判活動に必要な資料から、あるいは奥さんのそういったものは全部持っていくと、逮捕に伴う押収という名目の下に、これは確かに任意の事情聴取だったらできないこと、検察官は、逮捕という事柄をやったためにできたことなんですが、これが1つの目的だったんじゃないかと考えざるを得ない。 こういったことで、われわれとしては今回の逮捕ということが法律の趣旨に反する、あるいは法律の定めたところに反するものだというふうに考えておりますし、もう文明国としてはあってはならない暴挙であるというふうに思ってます。 あした以降というか本日以降、今回の逮捕あるいは検察官はたぶん拘留請求する予定のようですから、そういったものを含めて必要な弁護活動、申し立て等々は全てやって、もうゴーンさんとわれわれもすでに東京拘置所で会ってますけれども、今後ゴーンさんと意思を同じくして徹底的に闘っていくと、こういう予定でございます。 このことを、つまり日本の検察ではある程度こういった、前の1回目、2回目の逮捕も分けて同じ事件を、逮捕、拘留したときにも話題になりましたけども、こういった一連の事件について保釈中の人間を逮捕して、持ってる裁判の資料まで全部持っていくというようなことは、果たして海外の方々の目からして許されることなのかどうかということもきちんと考え、報道していただきたいと思います。以上です。