動画サブスクは「ライブ」時代に突入? Netflixなどで格闘技中継が増えている理由
たとえばABEMAでは2022年6月19日に独占生中継した『Yogibo presents THE MATCH 2022』が開局史上最高視聴者数を記録。目玉となったのは那須川天心対武尊という、日本格闘技界で長年待望されていたカード。試合視聴チケットの券売数は50万を突破して話題になりました。 ■Amazonプライムビデオ『Prime Video Presents Live Boxing 9』(那須川天心)
Amazonプライムビデオも『Prime Video Presents Live Boxing』シリーズを配信。2024年10月には『Prime Video Boxing 10』を放映しました。先に取り上げた『THE MATCH』でも注目を集めた那須川天心のボクシングの試合を中継し、格闘技ファンを中心に話題になっています。
動画サブスクの参入により「スポーツ中継」の放映権料が高騰傾向
このように国内外で動画サブスクリプションサービスがスポーツ中継に参入するケースが相次いでおり、中継の放映権料が高騰する傾向にあります。従来のテレビ局に加えて、NetflixやABEMA、Amazonなどの大手動画配信サービスが競合に加わったことで、放映権の獲得競争が激化。 この結果、人気スポーツイベントの放映権料は年々上昇しており、従来放映を行っていたテレビ局が高額化を理由に放映権を獲得できないケースも生じています。たとえば2022年のFIFAワールドカップは放映権料が一説には「200億円」とも言われ、なおかつ大会の開催地であるカタールと日本の時差を考えると「深夜の中継」が増えることが見込まれました。そのため放映権に関する交渉はなかなかまとまらず、視聴者にとっては「大会が見られるのか」が危ぶまれるような状態でした。 最終的にはABEMAが大規模な投資を行って放映権を取得し、ABEMAでの中継に加え、地上波の各局にも放映権を卸すことで、視聴者は試合を見ることができました。 とはいえ上記のエピソードは、2022年の時点で、少なくともサッカーの放映権料は「地上波の各局が獲得を断念する可能性がある」レベルで高騰していることがよくわかるものです。 NetflixがボクシングやNFLの中継に参入することで、サッカー以外の競技の放映権料高騰も今後顕著になる可能性があるかもしれません。
オトナライフ