動画サブスクは「ライブ」時代に突入? Netflixなどで格闘技中継が増えている理由
Netflixがスポーツ中継に参入した背景には、Netflixにとって肝いりの料金プランである「広告付きの低価格料金プラン」を成功させる狙いがあると考えられます。 2024年11月時点でNetflixの広告事業は2周年を迎えており、同社の広告プランの月間アクティブユーザーは全世界で7,000万人。そしてNetflixによると、広告プランを提供する国での新規登録者の半数以上は広告付きプランを選択しているとのこと。 つまりNetflixにとって広告は集客の中心であると同時に、巨大な収益源であると言えます。一方で広告事業には法人向けビジネスとしての一面があり、視聴者数の拡大もまたNetflixにとって急務です。 そこで参入対象となったのがリアルタイムで大規模な視聴者数が獲得できる「スポーツ中継」であり、ポールとタイソンのマッチはその試金石であったと言えるでしょう。 ■NFLのクリスマス中継が「本命」? Netflixにとってジェイク・ポール対マイク・タイソン戦は「スポーツ参入」の皮切りであると考えられます。たとえば同社はアメリカンフットボールリーグのNFLと3シーズンに渡る契約を締結済みであり、特に視聴者数が伸びるNFLのクリスマス中継はいわば「本命」だと見られます。 たとえば2024年12月25日に行われるNFLのテキサンズ対レイブンズ戦の中継を行うのは、Netflixです。そのハーフタイムには歌手のビヨンセさんがパフォーマンスすることも、先だって発表されています。 アメリカではクリスマスに家族で視聴するイベントとして、NFLは定番です。Netflixにとっては安価な広告付きプランに加入する世帯の増加や、広告の表示回数の増加などが期待できるでしょう。
Netflix以外の動画サブスクでもPPVや配信による中継が増加
なおこうした動きはNetflixだけに見られるものではありません。たとえば国内に目を向けても、大型の格闘技イベントの中継やPPVを動画サブスクが手掛けるケースが増加しています。その一例にはABEMAの『THE MATCH』などが挙げられます。 ■ABEMA『THE MATCH』(那須川天心 対 武尊戦)