真田広之のハリウッド映画出演作5選!
ホームズを迎えるキーパーソン的な役どころ! 『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』
アクション大作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)などで、アクションの才能がグローバルに認められるようになった真田広之。一方で演技派としての経験が生かされる作品にも精力的に参加しており、これはその代表例。イギリスがメインの製作国(英・米合作)で厳密にはハリウッド作品というわけではないが、エンタメ系とは一線を画した真田の魅力が伝わる貴重な一本でもある。シャーロック・ホームズといえばコナン・ドイルの小説の主人公探偵として有名だが、本作はアメリカの小説家(東京にも自宅があるというミッチ・カリン)による同名原作の映画化。93歳になったシャーロック・ホームズが30年前の、彼を引退に追い込んだ事件と向き合う。すでに記憶力も衰え、自らの死も意識しながら、ホームズは“過去への旅”を試みるが……。 真田広之が演じるのは、ホームズのファンだという日本人の梅崎。自身の父とホームズがかつて交友関係にあり、日本を訪れたホームズを迎えるキーパーソン的な役どころだ。実際に日本ロケも行われ、奈良のホテルや静岡の大井川鐵道などが映像に収められている。真田は梅崎のミステリアスな雰囲気を繊細に表現しているし、メガネをかけ、クラシカルなスールを着こなしている姿も新鮮。ホームズ役は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどで知られる、イギリスの名俳優、イアン・マッケラン。真田との共演シーンには崇高な空気も漂っている。
キレまくったアクションに惚れぼれ! 『ブレット・トレイン』
伊坂幸太郎の原作をハリウッドが映画化する。こうした日本×アメリカのプロジェクトは、真田広之に最適。そんなことを改めて実感させる一作。東京から京都へ向かう特急列車の車内に、白人、黒人、日本人などさまざまなタイプの殺し屋、謎めいた少女(原作では少年)らが乗り合わせ、ブリーフケースを巡って激しい攻防が展開していく。列車名は“ゆかり”だが、明らかに新幹線がモデル。超濃厚なキャラの中心となるのが、ブラッド・ピットが演じる“レディバグ”という名の殺し屋。イージーな運び屋の仕事を請け負ったのに、とことん不運が重なる彼の運命に、観ているわれわれも没入してしまう。 ヤクザやアニメっぽいキャラなど、日本のステレオタイプなアイテムが、これでもか、これでもかと注ぎ込まれるものの、ここまでやってくれれば一周回って楽しめる。映像もカラフルで、とにかく視覚的に楽しい作りに、狭い車内での激しい格闘アクションも盛り込まれ、まさにノンストップの勢い。ここで真田広之が任されたのは、車内で復讐をもくろむ日本人の殺し屋の父親。その父親も、ある深い執念を持っており、後半で大活躍する。ポイントとなるシーンでの真田のキレまくったアクションに惚れぼれするのは間違いない。本作の前に『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)など超大作への出演が続き、ハリウッドでの居場所を掴んだからか、真田の余裕たっぷりの貫禄も伝わってくる。