ヴィーガンミートは本当にヘルシー? 栄養士がメリットとデメリットを解説
ヴィーガンミートの健康メリットとは?
ヴィーガンミートを食べることの大きな利点は、過剰に摂取した場合心臓に有害となる脂肪の一種であり牛肉、豚肉、鶏肉などの動物性食品に含まれている飽和脂肪酸の摂取量を減らせることです、と説明するのは「ザ・アスリート・ダイエティシャン」の創設者で、「ガレージ・ジム・レビューズ」の審査員である登録栄養士のデスティニ・ムーディーさん。 プラントベースの肉は、カロリーが少ない傾向があるだけでなくより少ない飽和脂肪酸を含む。たとえば、赤身80%、脂肪20%の牛ひき肉バーガー(約450g)は、カロリーが280kcalで飽和脂肪酸は8g。いっぽう、えんどう豆、玄米、赤レンズ豆のたんぱく質で作られ、ビーツジュースで着色した「ビヨンドミート」のビヨンドバーガーは、50kcalと低カロリーで飽和脂肪酸もわずか2g。 「たまに動物性食品が恋しくなる人も、代替ミートのおかげでヴィーガン食を続けやすくなります」とムーディーさんは話す。さらにヴィーガンミートは、本物の肉には不足している栄養素の食物繊維が含まれている場合が多いです、と語るムーディーさん。食物繊維を多く含む食事は消化器官の健康に良く、血糖値を調節し、心臓病や脳卒中のリスクを減らすことで心臓の健康をサポートする。
さらに、プラントベースの肉はポリフェノールの豊富な供給源であり、その一部はがんのリスクや認知機能低下の軽減、心臓の健康改善が研究されてきた抗酸化作用を持ちます、と説明するのは、タフツ大学フリードマン栄養科学政策学部の米農務省食品農業総合研究所(USDA-NIFA)研究員で『プラント・ベースド・グルメ』の著者でもあるスザンナ・ガーバーさん。 プラントベースの肉は腸内マイクロバイオームにも有益である可能性があり、その理由の一部は、腸の通過時間の改善により健康な腸内フローラが増殖しやすくなるからです、とガーバーさんは話す。 また、動物性加工肉をとくに不健康にしている亜硝酸塩やニトロソアミンのような化合物は、通常プラントベースの代替ミートに含まれていません、と話すガーバーさん。ベーコン、ホットドッグ、ハムなどの動物性加工肉は塩漬けの工程が必要であり、亜硝酸塩やニトロソアミンなどの副産物は、心臓血管の問題につながる。しかしプラントベースの代替ミートは、これらの有毒化合物が生成しないだけでなく、一酸化窒素の循環を向上させることが示されており、心臓の健康に有益となる可能性が高いという。 あらゆる食品と同じように、ただ一つの食材だけではなく、食事全体という観点から栄養価を見ることが重要です、と話すのは「インポッシブル・フーズ」の健康&栄養協議会アンバサダーで登録栄養士のウモ・カリンズさん。一般的に「インポッシブル」の商品のようなプラントベース肉は、動物の肉と同じくらいのたんぱく質を含み、ほとんどの場合、総脂肪は最低でも25%少ない。「インポッシブル・ビーフパティ」1枚には、5gの食物繊維と一日の鉄分推奨摂取量の25%も含まれている。