ホットドッグ早食い王の小林尊さん「日本で大会作りたい」…引退機に後進育成や食育にも意欲
【ニューヨーク=小林泰裕】ホットドッグの早食い王として知られる小林尊(たける)さん(46)が読売新聞のインタビューに応じた。9月に引退を表明した小林さんは「ホットドッグの早食い大会を日本でもつくりたい」と話し、後進の育成や早食いの環境整備に取り組む考えを明らかにした。 【写真】ホットドッグ早食い競争で世界記録を更新、6連覇を果たした小林尊さん(2006年)
小林さんは9月2日、米ラスベガスで行われたライバルのジョーイ・チェスナットさん(40)とのホットドッグ早食い対決で、約5年ぶりに競技に復帰した。10分間で66個を食べたが、チェスナットさんの83個に届かず、試合後に早食い競争からの引退を表明した。
小林さんは10月下旬にオンラインでインタビューに応じ、「もう一度世界一になって引退したかったが、できることはやった」と話し、「多くの友人が日本などから応援に来てくれて、これ以上うれしいことはなかった」と振り返った。
小林さんは2001年、米国の独立記念日に毎年行われるニューヨークのホットドッグ早食い大会に初出場。12分間で50個を平らげ、当時の記録を2倍に更新した。それ以来、同大会で6連覇を達成。07年にチェスナットさんに敗れて連覇は止まったが、「この小さな体(身長1メートル73)で誰にも想像できないことをやってきた」と胸を張る。
小林さんの活躍を契機に、米国では早食い競争が「スポーツ」として注目されるようになった。体格の良い米国人らに交じり、きゃしゃな日本人がのみ込むように次々とホットドッグを食べる姿は多くの米国人を熱狂させた。9月のチェスナットさんとの対決は米動画配信大手ネットフリックスで生配信され、米主要メディアが結果を速報するなど大きな注目を集めた。
小林さんは「誰よりも最初に本気になって取り組んだことでムーブメントを起こせたのだと思う」と話す。
小林さんはソーセージを半分に折って先に食べた後、パンを水と一緒にのどに流し込むという食べ方(通称「ソロモンメソッド」)を確立した。胃を広げるため、大会前には数日に一回の頻度で3ガロン(約11リットル)の水を90秒で飲み干すトレーニングを重ねるなど、アスリートとして努力を重ねたことも強さの理由だった。