徹底したマーケティングで立教大生の心をつかむ 【次世代美容師:「ラボヌールヘアーレーヴ 池袋店」志村大成スタイリスト】
WWD:どういった戦略をとっている?
志村:今は立教大生の顧客が多いこともあり、アイドルヘアを打ち出しています。立教大生のお客さまには、ロング丈のワンピースを着て来店する人がすごく多いです。そんな“立教大生が見てかわいいと思うスタイル”を突き詰めていった結果、アイドルグループ「乃木坂48」の衣装にロングスカートが多いことに気付きました。そこで、彼女たちのヘアスタイルを提案してみたら、立教大生に“刺さった”んです。
WWD:“アイドルヘア”というと黒髪のイメージがあるが。
志村︰黒髪だと、僕からするとモードに寄ってしまいます。モード系だと、立教大生が好む王道とは違いますね。アイドルヘアの中でも、理想は(アイドルグループ「乃木坂48」を卒業した)白石麻衣さんのヘア。白石麻衣さん風のヘアをウイッグで作って投稿したらバズったくらい、白石さんが好みそうな“ミスコン風のヘア”(大学のミスキャンパスコンテストで多く見られるナチュラルで上品なヘア)はウケがいいです。
WWD:インスタグラムにも、“ミスコン風のヘア”の投稿が多い。
志村:そうですね。お客さまとモデルの写真を、半々くらいの割合で載せているのですが、モデルは全員、大学のミスコン出場者にお願いしています。今は韓国スタイルが人気なので、「#サロンモデル」で検索すると、少しイメージの異なるモデルがヒットしがちなんです。「#ミスコン」で検索すると、立教大生が憧れるモデルに出会えるケースが多いですね。お客さまに関しては、たとえヘアスタイルがばっちりキマッていても、パンツをはいていたら撮らせてもらわないですね。それくらい繊細に、“立教大生ウケ”のSNSを作り上げています。
WWD:ヘアカラーはどんな色がウケる?
志村:基本的にはワンカラーで、ベージュやブラウン系、くすませ過ぎないアッシュ系が通年で人気ですね。くすませ過ぎるとワンピースに似合わなくなるので、くすませ過ぎないことがポイントです。今年の夏から秋にかけては、少し明るめのトーンを提案していくつもりです。「イルミナカラー(ILLUMINA COLOR)」の“ムーンライト”のような、赤味を抑えたクール系のベージュが理想です。“ムーンライト”は単品使いで、立教大生が好みそうな、クールさを感じつつもまろやかに見えるベージュにできます。もう少しくすませたいときや、オリーブに寄せたいときなどには、差し色として“マリーン”や“ディープシー”と組み合わせると、イメージが変わるので使いやすい。今は毎日使っています。