ラグビー最強NZ代表が豪州撃破でW杯V3に死角なし。なぜ彼らは強いのか?
来年日本で開催されるワールドカップで3連覇を狙うオールブラックス(ニュージーランド代表)が27日、4万6000人の観客を集めた日産スタジアムでワラビーズ(オーストラリア代表)と対戦し37-20で快勝した。ワールドカップ前大会の決勝で顔を合わせた両チームが、年間2試合から4試合を行うブレディスローカップの一戦。1931年から、この冠がついている伝統あるライバル対抗戦でオールブラックスが今季3戦を全勝で終えた。 オールブラックスは、試合前儀式の「ハカ」に「カパオパンゴ」を選んだ。戦意発揚のためマオリ族の民族舞踊「ハカ」を披露することがファンの楽しみにもなっているが、そのレパートリーは「カマテ」と「カパオパンゴ」の2つがあり、どちらを選ぶかは選手に委ねられる。チョイスしたのは主にビッグマッチで見られる「カパオパンゴ」だった。 日産スタジアムは、来年のワールドカップで決勝が行われる場所。世界最強の前大会王者は、予行演習をしたつもりだったのだろうか…。ナンバーエイトでゲーム主将のキーラン・リードは笑みを浮かべた。 「我々がカパオパンゴをすると決めるまでにはいくつかの要素がありました。舞台が日本で、相手がオーストラリア。いい機会だと思い、このような形にしました」 キックオフ後は肝を押さえた。 前半11分に連続攻撃から先制トライを奪うと、その直後の反撃をもくろむ相手エースのイズラエル・フォラウにロックのスコット・バレットが鋭くタックル。すぐに起き上がってボールの真上に身体を差し込み、攻守逆転を導いた。 初失点を喫した直後の25分にも、リードとアウトサイドセンターのライアン・クロッティが相手ランナーを掴み上げワラビーズの攻めを寸断。直後のスクラムで後方からじわりと圧力をかけ、ペナルティーゴールを獲得すれば10-3と再び点差を広げた。 17-10と7点先行も防戦一方だった後半6分には、インゴールへ突っ込んでくるランナーにスタンドオフのボーデン・バレットがタックル。相手の持つボールに絡みつき、すれすれのところでトライを防いだ。直前に味方が反則を犯していたとあってペナルティーゴールで17-13と詰められたが、執念で被害を最小化したのは確かだ。 そして続く10分、そのバレットはハーフ線付近右で味方のキックを追いかけると、敵陣中盤右でそのボールをアウトサイドキックで転がす。同22メートルエリアで先方の反則を誘い、まもなく味方の追加点を促すのだった。 ここでスコアを20-13としてからは、水を得た魚のようにボールをリサイクル。結局、17点差での勝利を決めた。 敗れたマイケル・チェイカ・ヘッドコーチが「ターンオーバーされる機会が多かった。しかも重要なタイミングで、だ」とする傍ら、リードはこう振り返るのだった。 「ゲームをコントロールしたいと思っていて、それは最後の時間帯でできたと思います。そして点数を重ねられた。ただワラビーズも今回、非常によかったところがある。我々のパフォーマンスには、見直さないといけないところがある」