ラグビー最強NZ代表が豪州撃破でW杯V3に死角なし。なぜ彼らは強いのか?
2015年のイングランド大会後にフランカーのリッチー・マコウ、スタンドオフのダン・カーター、インサイドセンターのマア・ノヌーといった100キャップ超の顔役は退いた。一方で当時控え格だったバレットやリードが主戦級を張り、かねてからの中心選手だったウイングのベン・スミス、ロックのサム・ホワイトロックらとともに強力な布陣を組む。 国中の才能を寄せ集めてチームという生命体を作るにあたっては、複数の選考基準を設けていると指揮官は続ける。 「まずできる限りベストの選手を選ぶ。また、その選手が必ずしなければならない仕事ができるのかどうかを重視します。それからテストマッチ(代表戦)に臨む姿勢、チームへフィットするか否か、さらにオフフィールドでの過ごし方、成長の伸びしろも見ています」 チームは11月3日、若手主体で東京・味の素スタジアムでの日本代表戦を行い、オーストラリア代表戦に出場した主力の多くは、ヨーロッパ遠征に出かける。選手層に厚みをもたらす。ハンセンヘッドコーチは淡々と言う。 「顔ぶれが変わっても勝ち続けることで勝ちぐせがつく」 チーム作りにおいて生じる隙間を丁寧に埋めているオールブラックスのメンバーは、「来年、また日本を訪れるのが楽しみ」と口を揃えた。 (文責・向風見也/ラグビーライター)