無人出入国ゲート、タッチ決済、現金NG…知らなかった!コロナ後に変わっていた「海外旅行」の新常識
シンガポールでは、MRT(地下鉄)の駅や路線バスの全線で、タッチ決済対応。香港は路線バスと香港名物の2階建て路面電車トラム、MRTがタッチ決済で乗車できる。一方、タイはMRTが対応でBTS(バンコク・スカイトレイン)が非対応など導入はまだ一部に留まるが、いずれ対応しそうではある。台湾では、台北桃園国際空港からの桃園機場捷運(桃園空港MRT)のみタッチ決済で乗車可能だ。 都市部以外にもタッチ決済の導入が進む。筆者が’23年6月に訪れたギリシャ・コルフ島で、路線バス全線でタッチ決済が使えた時は、本当に驚いた。世界遺産登録の島とはいえ、旅行客で賑わうのは夏のバカンス時期のみ。そんな島ですらVISAタッチが普及する。 とはいえ、日本もVISAタッチ対応がまだごく一部に留まるように、意外な国・地域で使えないことも。カード先進国と言われて久しい韓国の地下鉄やバスは、今も使用不可。交通系ICカード「T-money」を入手し、しかもチャージが現金のみで、最初に多めに両替しておかないとあとで面倒なことになる。 ◆現地「現金NG」増加で、両替で失敗した人も タッチ決済は、海外での買い物時、もはや常識に近い。クレジットカードを端末でスキャンしたり挿入したり、自分のPINコードを入力したりすることすらない。 先進国で現金よりカードでの支払いが主流なのはコロナ前からだが、コロナ禍を経て「現金支払いNG」も増えている。フィンランドでは、カフェのレジで「CASH NG」と貼ってあった。また、「韓国の釜山で、スターバックスで現金(ウォン)で支払おうとしたら『現金NG』と言われた」という日本人旅行者の声も。 現金の使用頻度が減る、現金支払いNGとなると、「現地でいくら両替しておけばよいか」と迷うだろう。実際、「コロナ前と同じ金額を現地通貨に両替したのに使う機会がなくて現金が余ってしまった」という人も少なからずいる。なお、両替するたびに手数料がかかるので、両替は慎重に行いたい。 ◆「ライドシェア」は常識、実は日本が最も遅れている部分 海外で「Uber」などのライドシェアは、もはやあって当たり前。旅行者にとっても貴重な現地の移動手段である。 例えば、アメリカやヨーロッパ、インドでも「Uber」が普及する。主要空港には、タクシー乗り場の先に「Uber」の専用乗り場が設置されている。タイやシンガポールなどではUberはなく「Grab」が主流だが、利用方法などはUberとほぼ同じだ。 海外で利用したことがある人ほど「ライドシェアは本当に便利」と好評だ。以前は東南アジアなどで、タクシーで日本人だとわかると運賃をごまかそうとして揉めるケースも少なくなかった。 「タクシーより若干高いけど、運賃が最初に分かるのがいい」「行き先を入力して手配するので、運転手に細かく説明する必要もない」「不便な場所もライドシェアで行けるようになり、行動範囲が広がった」など、今の海外旅行でライドシェアは欠かせない存在となりつつある。 ◆ホテルで自分の「スマートフォンが部屋のキー」になる時代 さらに、ホテルでも「チェックインをアプリで行った」「客室の鍵がスマホだった」など急なDX化に戸惑う声も。ヒルトン系のホテルなどは電子キー(デジタルキー)の普及を進め、客室の入室だけでなく、ホテル内のラウンジやジムなどにも入室できる。使いこなせる人には便利だが、使い慣れていないと大変だ。 また、Airbnbなどの民泊を中心に、フロントが最初から無人で、入り口に置かれたタブレット端末で自らチェックインする宿泊施設も増えている。もしトラブルが起きたら、リモートで対応するスタイルだ。ホテルでも無人サービス化が進む。 もし近く海外旅行を予定していれば、海外はあらゆる面において先を行く、それを念頭に旅行プランをじっくり練ってほしい。 取材・文・写真:シカマアキ
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