「サムライブルーのユニフォーム統一に4年」北澤豪 障がい者サッカーへの思いと行動「給料を払えるまでサポートを」
健常者を基準にした社会を変える。その第一歩がサッカー日本代表「サムライブルー」のユニフォームの一元化だったと話すのは、元日本代表選手で現・日本障がい者サッカー連盟会長の北澤豪さん。障がい者も女子チームも同じユニフォーム。それだけで選手のモチベーションは上がり、責任感も芽生えたといいます。(全4回中の2回) 【写真】「ついに」障がい者カテゴリーも「サムライブルー」に統一されたユニフォーム ほか(全18枚)
■環境を整えるだけじゃダメ「経済的自立を目指す」 ── 2016年から、日本障がい者サッカー連盟の会長として、障がい者サッカーの普及に取り組んでこられました。現在、どのようなカテゴリーがあるのでしょうか。
北澤さん:7つのカテゴリーの団体で構成されています。足や腕に切断障がいを持った人たちの「アンプティサッカー」、比較的軽度の脳性まひの人たちの「CPサッカー」、精神障がいがある人の「ソーシャルフットボール」、知的障がいがある人の「知的障がい者サッカー」、自立歩行が困難な重度の障がいがある人の「電動車椅子サッカー」、視覚障がいのある人の「ブラインドサッカー」、聴覚障がいのある人の「デフサッカー」です。
サッカーは、グラウンド内での立ち回りを自分自身で考えなくていけません。それゆえに成長や自立を促すことができるのですが、障がいを持つ人は他者と競争しない穏やかで優しい人が多かったり、障がいの特性によっては、他者の理解や判断することが苦手だったりします。そこで、まずは自立心をはぐくむために、監督がグラウンド内で選手のサポートとして誰かが付き添うことを禁止したんです。そうしたら、半分ぐらいの人がやめてしまった。「これで本当にやっていけるのか…」というところからのスタートでしたね。
でも、最初は不安そうにしていた選手たちも、プレーが進むとだんだん楽しそうな表情になって、練習が終わるころにはすごくイキイキとしているんです。みんな自分なりの自信をつかむことができて、表情が輝きだす。そうした変化を目の当たりにすると感激しますね。 ── 近年、パラリンピック競技でもあるブラインドサッカーが注目され、盛り上がりを見せるなど、障がい者サッカーの認知度もずいぶん上がったのではないですか?