東大元主将の司法修習生の辻居新平さんがエスコンで「自己開拓プログラム」期間中、思わぬ再会
<We love Baseball> 19年に東大野球部主将を務め、現在は司法修習生の辻居新平さん(27)が13日まで約2週間、日本ハムの本拠地エスコンフィールドで、選択型実務修習の「自己開拓プログラム」に臨んだ。23年11月に司法試験に合格。この1年は弁護士になるための研修期間で「野球に育ててもらった人生。弁護士という立場になってスポーツ業界を盛り上げていける人材になりたい」との思いが、きっかけだった。 期間中、思わぬ再会があった。慶大元主将の日本ハム郡司裕也捕手(26)が同期。チームは違えど東京6大学の主将同士、交流があった。球団関係者の案内で球場内で対面すると、いきなり郡司から「相変わらずいいバッティングしてるの」と声をかけられた。大学4年時以来約5年ぶりだったが、話は弾んだ。「2ケタ本塁打も打って飛躍の年だったと思うのですが、フランクに接してくれて、すごくうれしかった」。移籍2年目で初の規定打席、2桁本塁打、100安打超えと躍進した旧友に、刺激を受けた。 辻居さんは神奈川の進学校、栄光学園の中、高を経て現役で東大進学。高校までは軟式だったが「硬式で、東京6大学という高いレベルにチャレンジしてみたかった」と入部。投手から野手転向し、2年春、デビュー2戦目の早大戦で現楽天の早川から初安打を放つと、3年春の明大戦では現広島の森下から左翼へ先頭打者弾を放った。2、3年の秋は打率3割超え。仙台育英時代、夏の甲子園準優勝と野球のエリート街道を進んできた郡司にとっても、印象深い東大の強打者だった。郡司は「シャープさとパンチ力を兼ね備えた打撃を、法律の世界でも生かして欲しい」とエールを送った。 小2から大学まで続けた野球から法曹の道に進んだ辻居さん。グラウンドで仲間と培った素養は、今後も生きると確信している。「アドバイザーとしてクライアントと同じ目線に立って本当に求めているものを捉えられることが必要。業界を知るにつれて、野球で養ったコミュニケーション能力とか体力とかが必要だと痛感しました」。内外野守れる捕手としてCS進出に貢献した郡司に負けじと、頭脳とスタミナをフル稼働させていく。【永野高輔】