シーズン最後のレースでクリストフ・ラポルトがシーズン最初の歓喜をつかみ取る!【Cycle*2024 パリ~トゥール:レビュー】
「パリ~トゥールっていうのはいつもこんな風に進む。最初の未舗装セクターからいきなりクレイジーな状況になるんだけど、実はそれほど早い段階では集団は割れない。だから序盤のセクターは、少し後方で控えていたんだ」(ラポルト) アッフィニが前にいたおかげで、一切の牽引作業から解放されていたヴィスマ・リースアバイクは、ピーダスンが飛び出した後も、ヤスペル・フィリプセン率いるアルペシン・ドゥクーニンクやアルノー・ドゥリー擁するロット・スーダルに追走を任せておいた。残り50kmを切ると、グルパマ・FDJも最前列で激しいテンポを刻んだ。未舗装セクターを抜けるたびに、メイン集団は少しずつ削られていった。
「アルペシンやトレックに、あんな風に制御権を握らせておきたくはなかった。だからアタックすることに決めた」(ラポルト)
第5セクターに入る直前だった。残り33km、ラポルトが力強く踏み出した。素早く反応したマティアス・ヴァチェクが、後に続いた。
ラポルトが引き、ヴァチェクは後輪に張り付いているだけというヴィスマ&リドル2人組は、ほんの4km先で、ピーダスンが引き、アッフィニは後輪に張り付いているだけというリドル&ヴィスマ2人組に合流した。ただヴィスマ2人とリドルの2人だけで構成された先頭集団が出来上がると、アッフィニが残された力を振り絞った。イタリアのTTスペシャリストが限界に達し、先頭から静かに後退していくと、今度はヴァチェクが力を尽くす番だった。ブエルタ初日の個人タイムトライアルで2位に飛び込み、高いルーラー能力を証明した22歳は、一時は9秒差にまで迫った追走グループを再び突き放した。
その代わり、ピーダスンが、チームメイトの刻むテンポについて行けなくなった。独走14km+先頭交代なしの牽引27km=41kmの奮闘の果てに、残り22km、脚が止まった。……ただしリドルのエースは、ラポルトとヴァチェクが前へと遠ざかって行った後も、チーム員として模範的な働きを披露する。追走集団の行く手をさりげなく塞いだり、リズムを乱したりと、上手にライバルたちの邪魔をした。
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