メイウェザーが4月RIZINでの“愛弟子”現役WBA世界王者vs那須川天心戦を明言。本当にやれるのか?!
大晦日にボクシングの元5階級王者のフロイド・メイウェザー・ジュニア(41、米国)とエキシビションマッチを行いTKO負けしたキックボクサーの那須川天心(20、TARGET/Cygames)が4月21日に横浜で開催される「RIZIN.15」で、ボクシングのWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者、ガーボンダ・デービス(24、米国)とエキシビションマッチを行う可能性が急浮上した。 デービスは、メイウェザープロモーションの所属ボクサーで、メイウェザーの愛弟子のような強豪だが、9日(日本時間10日)に米国カリフォルニア州カーソンで行われた元WBA世界暫定バンタム級王者、元WBC世界スーパーバンタム級王者のウーゴ・ルイス(32、メキシコ)との防衛戦に1ラウンドでTKO勝利。試合後、プロモーターのメイウェザーが、「私はデービスと次の5月の試合について話している。彼が了承するなら、4月に日本で那須川とエキシビシションで戦う。RIZINだ。まず4月に天心と戦って5月に真剣勝負になる」と明らかにしたもの。 メイウェザーは天心戦で来日した際にも「私は引退しているが、これからは若いボクサーを育てていきたい。RIZINとは、今後もビジネス、交流を続けていきたい」と語っていた。 当初、デービスは、この日、元3階級制覇王者、アブネル・マレス(メキシコ)と対戦予定だったが、マレスの怪我によりキャンセルとなり、急遽、亀田興毅に判定負け、長谷川穂積にTKO負けしているルイスが、1月19日に試合をしたばかりなのに代役に立てられていた。 5月にも試合の流れたマレスとの防衛戦が、再度、計画されるが、その1か月前に愛弟子を“刺客”としてRIZINに送りこみ、天心とのエキシビションで“ひと稼ぎ”しておこうという算段なのか。
デービスは21戦無敗で20KOを誇る左構えの無類の強打者。豊富なアマチュア経験を経て、2013年にプロ転向。2017年1月にIBF世界スーパーフェザー級王者のホセ・ペドラザを倒してタイトルを奪取。同年8月にメイウェザーが現役復帰してUFCの2階級王者、コナー・マクレガーと対戦したビッグマッチの前座で防衛戦を行う予定だったが、計量オーバーでタイトルを剥奪され、昨年4月に元WBA世界フェザー級王者のヘスス・クエジャルと、WBA同級スーパー王座の決定戦を行いTKO勝利で2団体目のタイトルを獲得した。 デービスはリング外でも喧嘩による暴行容疑で2度の逮捕経験のある狂暴性を持つ“問題児”。だからこそメイウェザーが興味を抱き所属選手にしたのかもしれないが、もし、この試合が決まれば、ただのエキシビションマッチでは終わりそうにない。 米国のボクシング専門メディアの「ボクシングシーン」は、「4月にデービスvs天心戦、メイウェザーが発言」との見出しを取って報道。「2017年に引退しているメイウェザーは大晦日に天心とエキシビションで戦って1ラウンドで破壊したが、この試合には大きな体重差があり完全なミスマッチだった。デービスは130パウンド(58.9キロ)だが、天心を簡単にKOするチャンスになるかも」との見立てを伝えている。 確かに通常体重が約61キロの天心となら体重差のない試合にはなるが、天心は3月10日にRISE世界トーナメントへ出場が決まっており、1回戦でWKN世界ムエタイ58キロ級王者のフェデリコ・ローマ(アルゼンチン)と対戦する。もしデービス戦が決まれば、たった1か月しか準備期間のない過酷なスケジュールとなる。 また、この試合はボクシングルールとなることは必至で、たとえエキシビションマッチといえど、現役の世界王者が、総合格闘技のRIZINのリングに上がり、ボクシングライセンスのない天心と戦うことになれば、WBA並びに日本のプロボクシングの試合を統括しているJBCが、なんらかのアクションを起こす可能性は高い。 しかも、RIZINの榊原信行実行委員長は、メイウェザーには、さんざん振り回されたため、メイウェザー側と再びビジネスを行うことに対しては難色を示していた。メイウェザー発言が先行する形になった現役ボクシング世界王者vs天心戦はスンナリと決定には至らないのかもしれない。