衝撃!ビッグクラブの浦和レッズでさえ10億円の赤字…検討中の経営危機打開策とは?「役員報酬カット」「投げ銭」
しかし、中断期間が4カ月あまりにおよんだ過程で、ヴィッセル神戸に次ぐ営業収益を計上しているレッズだけで、すでに10億円前後の赤字を覚悟している苦境が浮き彫りになった。無観客や上限数が設けられた状況での試合開催が続く共通の状況を踏まえれば、残された各クラブがダメージを受ける想定金額の桁がすでにひとつ増えているのではないか、と察することができる。 未曾有の事態が起こりうると、Jリーグ側も想定しているからか。三菱UFJ銀行および政府系金融機関の商工組合中央金庫との間で一定の融資枠と契約期間をあらかじめ決め、資金調達の必要性が生じたときに枠内でいつでも借り入れられる、コミットメントラインと呼ばれる融資枠を設定している。当初は非公表とされた金額を、村井満チェアマンは5日の臨時理事会後に明らかにしている。 三菱UFJ銀行とは200億円のコミットメントラインと60億円の当座貸し越し枠を、商工組合中央金庫とは100億円のクラブ向け長期借り入れ枠をそれぞれ設定。さらに事業会社の株式会社Jリーグの内部留保から、25億円が貸し出されることも決まった。 トータルで385億円に達する融資枠を、村井チェアマンは「輸血と呼ぶべき全体像が完成した」と表現している。56を数えるすべてのクラブが新型コロナウイルス禍を乗り越え、未来へ向けて生き残るために用意された、リーグの施策だけにもちろん頼っていくわけにはいかない。 話をレッズに戻せば、立花社長以下の役員報酬を来年1月まで一律で15%カット。公式戦での導入を見すえて、13日のFC町田ゼルビアとの練習試合をクラブ公式YouTubeチャンネルで配信しながら、視聴者が参加するギフティング、いわゆる“投げ銭”企画も実施する。昨年の4月および5月に比べて40%以上の売り上げ増を示している、EC(電子商取引)によるグッズ販売にもより注力していく。 「細かい部分がまだ決まっていませんが、私たちの方でさまざまなサービスを提供できることを考えれば、クラウドファンディングに賛同していただければ収入につながると考えています」