マエケン、2回無失点デビューでメジャーで成功する条件をクリア!
MLBのオープン戦、ドジャース対ダイヤモンドバックスが現地時間5日(日本時間6日)、アリゾナ・フェニックスのキャメルバックランチで行われ、ドジャースに移籍した前田健太(27)が初先発。2回を1安打2三振、無失点に抑える内容で“全米デビュー”を飾った。 「少し緊張した」というマウンド上では、第1球を投じる前に、両手を羽のように動かすマエケン体操を披露。アメッドへの注目の初球はインコースへのツーシームだった。外のストレートをファウルさせてカウントを追い込むと、外へスライダー、カットとボール一個分の出し入れを続けて、アメッドは、そのカットを打たされてライトフライ。左打者のラムにもストライクから入り、チェンジアップも試投して反応を見極め、最後は、外のボールゾーンからストライクゾーンに動くスライダーでバットに空を切らせた。 続くゴセリンには、真ん中低めのストレートを捉えられ三塁線を破られる二塁打。だが、ペラルタの初球に、そのゴセリンが三盗を仕掛けた。ドジャースが対左打者用の“デイフェンス・シフト”をしき、三塁手がポジションにいなかったため、その隙を狙ったものだ。それでもショートがベースカバーに入り、キャッチャーのグランダルが冷静に刺してピンチを脱した。続く二回も一塁ゴロ、三塁ゴロと、テンポよくアウトを重ね、ドルーリーは、外のスライダーで、見逃しの三振に仕留めた。特筆すべきは、打者6人すべてに初球にストライクを取った点と、カーブをミックスさせた緩急だ。硬いマウンド、滑るボール、乾いた気候という、メジャーの環境に左右されることなく、マエケンの最大の武器である精密な制球力とボールのキレが健在だった。 女房役のグランダルも、「メジャーで(成功するために)必要なことすべてに適応ができていた」と絶賛した。 グランダルの言うメジャーで成功するために必要な適応とは、「ツーシームの出し入れ」「左打者の高めのゾーンへのフォーシームの威力」「スライダーの投げ分け」の3点で、特に前田が、メジャースタイルに対応するために多用したカーブを「あれは通用する」と、評価した。 「フォーシームと同じ腕のふりで、同じ場所から落とすことのできたカーブは、通用すると思う。メジャーのバッターは初球からカーブを狙ってこないから、あれは有効だ。彼には、初球から簡単にストライクを取ることのできるコントロールがある。ゲームプラン通りに配球できたし、彼のボールを受けるのは楽しいね」 ダイヤモンドバックスは、いわゆる遠征試合で、昨季、打率.321、33本、110打点の主砲、ゴールドシュミットやポロック、カスティーヨという主軸が帯同してなかったが、ピッチング内容は合格点だった。 米国の複数メディアも、前田の初戦を好意的に伝えた。