「国産牛=和牛は間違い?」実は焼きすぎ!? 食のプロに教わる“美味しい牛肉”の選び方、焼き方のコツ
気軽には買えない牛肉。たまに奮発して食べるなら美味しく調理したいですよね。とはいえ、選び方も適切な調理方法も実はよく知らない……という方も多いのではないでしょうか。 ⇒【関連写真】「見切り品の刺身は買わない方がいい?」食のプロが伝授!スーパーで役立つ“新鮮な刺身”の選び方 そこで今回は牛肉の調理法について、食の専門家であるスギ アカツキさんに聞きました。
国産牛=和牛は勘違い!
まずは「和牛」「国産牛」の違いについて。どちらも同じ日本で育ち加工された牛のことではないの? 「まずは『和牛』と『国産牛』が異なることを理解しましょう。和牛は日本の在来種をもとに作られた品種のもので黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4種類のみ。国産牛は日本で3か月以上飼育・加工された牛です。国産牛の判断は肥育場所と肥育期間のみであるため、牛の品種や出生地などについては一切問われず、乳が出なくなった乳牛用の老いたホルスタインも、食用の国産牛になっている場合があります。 効率やコスト、病気にかかりにくいなどを考えると、乳牛と和牛を掛け合わせた交雑種と呼ばれる牛が生産者にとっては扱いやすいんです。しかし和牛と国産牛はかなり味が変わります。本当に美味しい牛肉を選びたい場合には和牛を選ぶと良いですね」(スギ アカツキさん) なんとなく国産=美味しいと思っていると実はそうではない恐れがあるのですね。牛肉を購入する際に、どれが美味しいものなのか悩んでしまいますが、『肉の美味しさの原理』を知ると選びやすくなるとスギ アカツキさんは話します。 「舌の上に肉の成分が長くとどまればとどまるほど、人は肉を美味しいと感じます。旨味や味自体は赤身にありますが、舌の上にとどまるためには脂身が重要です。そのため、脂=サシが多いほど美味しさを長く感じやすい。とはいえ、どの程度の脂身量を適量と感じるかは個人差や好みがありますから、この原理を知ったうえで自分の好みに合わせて選ぶと良いと思いますよ」(スギ アカツキさん)
実は焼きすぎ!? 牛肉がもっとも美味しい焼き加減
せっかく「和牛」を選んだとしても、家で美味しく焼くのはけっこう難しい。美味しく味わうためにはどんなポイントがあるのでしょうか。 「多くの人は焼きすぎ!だと思います。分厚い肉だとどうしても長時間加熱する必要があります。肉のプロはすき焼き用の肉ぐらいの薄さをサッと短時間焼くのが一番美味しいと話していますね。安心のために言うと、食中毒を防ぐためには75℃以上で1分間以上加熱することが必要です。でもそれ以上の時間焼いている方が多いのではないでしょうか?焼き過ぎると水分が出てぱさぱさになってしまいます。ほんのりピンクがかったロゼ色くらいが焼き頃です」(スギ アカツキさん) そう聞いて、薄い牛肉をいつもより控えめに焼いてみたが……これでも焼きすぎ?