「もう渋谷は若者の街じゃない」「でもここは違った」…。MIYASHITA PARK内にあるフードコート「FOOD HALL」は“若者の楽園”だった
谷頭氏の書いた通り、宮下公園は無料。また、近年の公共空間は「排除アート」と揶揄される、例えば「座れはするものの横になることはできない」、あるいは「長時間座りにくい」といった使いにくいベンチ(というにはあまりにもわびしいもの)などに満たされている。 もちろんこの場所にも座りにくいベンチのようなものもあるが、何より多くの人が座るに足る芝生も広がっている。 お金はないけど、とにかく時間をつぶしていたい。あるいは、友人と話したい。そのような若者がどこからともなく集まっているのが、このMIYASHITA PARKなのだ。
そんな渋谷らしい、若者の集う施設にあるフードコートが、今回訪問した「FOOD HALL」である。 訪問したのは午後5時ごろ、宮下公園同様に客層が一般的なフードコートよりもとにかく若い。そして、女性が多い印象を受けた。 ■客席数に対し、店舗数は少なめ 全席数は300ほどでそこそこ多いのだが、それに対して店舗が少ない。 タコスなどメキシコ料理を提供する「TACO BELL」に韓国料理の「VEGEGO」、中華の「PANDA EXPRESS」とハワイ料理の「MAGURO MARKET」、さらにみんな大好きマクドナルドとフードドリンクスタンドの「VALUME」、6つのみである。
少ないとはいえ、ラインナップは非常にユニークで、かなり国際色豊か。多様性の街、渋谷らしいといえば、らしい。そんな中にあるマクドナルドが、何となく面白い。 日本にいればいたるところにある店舗の一方、そもそもはワールドワイドなチェーンであり、これも立派な「世界の味」といえよう。 ちょっと歩いて気になったことがある。普通のフードコートなら、布巾などが置いてある場所に、給水機も併設している。 しかし、このFOOD HALLには、見た限り公共の給水機がない。
掲示物には長くても1時間で出るように、といった旨の内容も書いており、すわ「排除フードコートか」と思ったものの、早計。実はフードコートとしてではなく、多くの店舗が給水機を用意しているスタイルだった。 また、2つある入り口のうち「North」側から入ると、おそらく施設内のショップで販売しているのであろうアイテムを展示しているのもユニークである。 ちなみにこの日は帽子が3点。あいにく目を留めている人はいないように見受けられた。