「もう渋谷は若者の街じゃない」「でもここは違った」…。MIYASHITA PARK内にあるフードコート「FOOD HALL」は“若者の楽園”だった
新たに駅周辺へ数多く誕生した大規模商業施設は、単なる買い物の受け皿としてだけでなく、オフィス需要の取り込みにも機能している。 ここ10年ほど続く再開発の結果として、外資系を中心に多くの企業が渋谷にオフィスを構えるようになり、どことなく街も大人な感じになった印象を受ける。 ビジネスパーソンだけでなく、インバウンド観光客も非常に多い。JR渋谷駅前のスクランブル交差点では、立ち止まって写真や動画を撮影している人を多く見かけるし、飲食店の行列にもちらほらと並んでいる。
このように、かつての若者の街は今やビジネスパーソンにインバウンドとさまざまな属性の人が集まり、多様性の街と化している。 そんな中で、いまだ若者要素を色濃く残しているのが、今回のMIYASHITA PARKである。 下層のRAYARD MIYASHITA PARKはルイヴィトンやグッチといったハイブランド、その他にも数多くショップが入居していることから、昼間こそさまざまな客層がいる。しかし、夕方以降になるとその客層が一変する。
具体的には、屋上の宮下公園に若者が数多く集まるのだ。芝生に腰を下ろしながら、あるいはそこらに置かれた椅子に腰かけながら、しゃべったり、おそらくTikTok用だろうと思われる動画を撮影したりしている。 昼間と日の暮れた夕方、両方に宮下公園を訪問したが、誇張ではなく夕方は昼間の2倍、いや3倍以上の人がいる。 昼間は家族連れや外国人もおり、まんべんない属性の人がいたが、夕方は見た限り学生や20代前半と思しき人が非常に多い。
この点について、都市ジャーナリストの谷頭和希氏は自身の記事で次のように述べている。 「ミヤシタパークを見ると、まだまだ多くの若者が渋谷にはいるのだと思わされる。渋谷から若者が減ったと思えるのは、たぶん『無料』で居座れる空間が減ってしまったからだろう」(マネー現代『渋谷に若者が再び集まりだしていた…渋谷“ミヤシタパーク”で見た「異様な光景」』、2024年2月19日公開) ■座れない街・渋谷で、芝生が広がる