「もう渋谷は若者の街じゃない」「でもここは違った」…。MIYASHITA PARK内にあるフードコート「FOOD HALL」は“若者の楽園”だった
時にレストランであり、喫茶店であり、短時間のワーキングスペースにもなる「フードコート」。楽しみ方は無限大で、「市井の人々のオアシス」かのようだ。 本連載では、そんな変幻自在な「フードコート」のある街を巡り、街やフードコートの魅力や楽しみ方を提唱していく。 今回は、東京・渋谷の複合商業施設「MIYASHITA PARK」内のフードコート、その名も「FOOD HALL」を訪問する。 【画像33枚】若者多め、女性率も高めな「FOOD HALL」の全貌 同施設は非常にユニークな構造であり、屋上が「渋谷区立宮下公園」、その下層が商業施設の「RAYARD MIYASHITA PARK」となっている。宮下公園はもともと、1953年に開園。当初は平地であったが、1966年に東京初の「空中公園」として再整備された。
■2020年に誕生した「MIYASHITA PARK」 長い歴史の中で、スケートなどのスポーツができる場として、また若者がたむろする場として親しまれてきた同公園だが、1990年代ごろからは野宿する人が増えるなどして、問題視する人も増えた。 【画像33枚】「もう渋谷は若者の街じゃない」「でもここは違った」…。MIYASHITA PARK内にあるフードコート「FOOD HALL」は若者の楽園だった こうした点を問題視したのか、渋谷区は2009年に同園の命名権をナイキ・ジャパンへ売却し、さらに同社の負担で改修したうえで有料の公園にすると発表。2011年のリニューアルオープンまでに抗議活動が起こるほどの、さまざまな騒動があり、注目を集めた。
しかしリニューアルしてからつかの間、躯体が耐震基準を満たしていないことや伸びた樹木が近くを走る線路に倒れる危険性があることなどから再度の刷新を行うことに。 その結果として生まれたのが、このMIYASHITA PARKだ。 ■渋谷はもはや「若者の街」ではない? かつては「若者の街」としてさまざまなトレンドを発信してきた渋谷だが、近年は目まぐるしくその姿を変えている。 中でも大きな変化が、駅周辺に高層ビルが増えたこと。2012年に完成した「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、2019年に東棟が開業した「渋谷スクランブルスクエア」、さらには再開発のラストピースと各メディアが報じていた「Shibuya Sakura Stage」が、この7月に開業した。