地域金融機関の内部監査に格差、経営陣の意識が影響-金融庁が報告書
(ブルームバーグ): 金融庁は10日、金融機関の内部監査体制の現状や課題をまとめた報告書を公表した。内部監査の高度化に向けた取り組みが総じて進んでいる状況が確認できたとした一方、特に地域金融機関において取り組み状況の格差は広がっており、その背景には経営陣の意識の差が大きく影響していると指摘した。
大手銀行や地方銀行、大手証券、保険会社など79の金融機関のモニタリング結果をまとめた。①経営陣や監査委員・監査役による内部監査部門への支援、②内部監査部門の監査体制高度化・監査基盤強化、③被監査部門に対する内部監査への理解・浸透やリスクオーナーシップ醸成、の3つを論点に好事例や課題を明示した。
同報告書では「金融機関を取り巻く環境は常に変化しており、昨今は世界的な金融経済情勢の変化に加え、国内では金利上昇局面にあるなど、大きな転換期を迎えている」と指摘。リスクをコントロールする内部監査の重要性と高度化の必要性はますます高まっていると言及した。
金融庁の担当者は、経営陣の意識が低い金融機関については高度化に時間がかかっていると指摘。経営資源の配分などでは経営陣が主体的に取り組まなければ成果は出ず、経営陣の考え方や取り組み姿勢についての意識改革が必要不可欠だとした。より効率的なモニタリングを実践するため金融機関の内部監査部門との連携を一層進めていく。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Nao Sano