小1から自主練習を欠かさなかった宗山（右）と中学、高校は野球をプレーしなかった清原（撮影・柳内　遼平）

　◇東京六大学野球秋季リーグ戦　慶大9―1早大（2024年11月9日　神宮） 　慶大が早大との1回戦に9―1で先勝した。4番・清原正吾内野手（4年）は6回の左越え3号ソロを含む4安打1打点3得点と大暴れ。西武、巨人などでプロ野球歴代5位の525本塁打を放った父・和博氏（57）譲りの「お祭り男」が勝負強さを発揮した。あす10日に早大が勝てば2季連続優勝が決まり、慶大が勝てば早大―明大の優勝決定戦へもつれ込む。 ＊＊＊ 　正反対の人生を歩んできた2人のレールが最後に交差する。楽天からドラフト1位指名を受けた明大・宗山塁内野手（4年）は小1から中学卒業まで自主練習を欠かさず、広陵（広島）、明大とエリートコースを歩んだ。 　一方、清原は中学はバレーボール部、慶応高ではアメリカンフットボール部に所属。慶大での野球再開には6年のブランクがあった。ただ清原はハンデを埋めるどころかリーグを代表する打者に進化しようとしている。 　打者としてのタイプは違うが、清原は今季リーグ3号となり、宗山の2本塁打を上回った。異例の成長速度を見せてきた清原の姿に、宗山は「どれだけの努力をしたんだろうなと…彼の一番凄いところは物おじせず自分の能力を出せること」と称賛していた。 　プロへ一直線に歩んだ宗山と、紆余（うよ）曲折を経て野球に戻った清原。清原が慶大を連勝に導けば、優勝のチャンスが宗山主将が率いる明大に渡る。（柳内　遼平） 　▼慶大・堀井哲也監督（今季は不振の時期も清原を4番から外さず）　この最後の早慶戦に向けての取り組みを見ていると、やってくれるんじゃないかと。本当に躍動する姿を見て頼もしく思いました。1年間の成果が出たと思います。明日はもっとやってくれるんじゃないですかね。 　◇宗山　塁（むねやま・るい）2003年（平15）2月27日生まれ、広島県三次市出身の21歳。三良坂小1年で野球を始め、三良坂中では軟式の高陽スカイバンズでプレー。広陵（広島）では1年夏、2年春に甲子園出場。明大では1年春からリーグ戦に出場し、4年秋の慶大戦でリーグ史上34人目の通算100安打を達成。侍ジャパンには大学2、3年時に大学代表。24年3月にトップチーム招集も、強化試合の欧州代表戦は骨折の影響で欠場。1メートル75、78キロ。右投げ左打ち。 ◇清原　正吾（きよはら・しょうご）2002年（平14）8月23日生まれ、東京都出身の22歳。小3から「オール麻布」で野球を始め、中学はバレーボール部、慶応高ではアメリカンフットボール部でタイトエンドとして活躍。弟の勝児は慶応（神奈川）で昨夏の日本一に輝くなど2度の甲子園出場。1メートル86、90キロ。右投げ右打ち。