「その戒名ではダメです」葬儀で実際に起きた「戒名トラブルの正体」とその防ぎ方
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル!週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。<第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識>、<第2部 今日から始める生前準備のすべて>、<第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える>の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。 医者が明かす「痛い死に方ランキング」ワースト50 『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 連載第10回 『「もしものときのために、あえて紙で残す」預金や保険・証券など「シンプル情報提供」のすべて』より続く
葬儀とお墓で大失敗しないために
「妻に先立たれた方で、妻の交友関係をほとんど把握しておらず、葬儀に誰を呼べばいいのか困り果てているケースはしばしばあります」 こう語るのは、特定行政書士で葬祭カウンセラーの勝桂子氏だ。葬儀について「残された側」がまず困るのは、葬儀に「誰を呼べばいいか」である。 「夫婦のお互いの人間関係は案外知らないものですが、それぞれ数十年にわたって親交のある友人がいるもの。あとから友人に『なぜ私は呼ばれなかったのですか?』などと問い詰められるようなトラブルを避けるためにも、どういう人を呼べばいいのか、最低限、呼ぶ人の名前、住所、電話番号を夫婦間であらかじめリストにしておくといいでしょう」 ほかにも葬儀について、きわめて基本的なことだが、「残された側」が意外に困ることがある。それが、配偶者の菩提寺がわからないという問題だ。千葉県在住の大木幸子さん(68歳・仮名)のケースを紹介しよう。 大木さんは今年5月に夫を急病で亡くした。夫は県内の総合病院で亡くなったが、突然のことだったので、葬儀会社は病院の提携先に頼んだ。菩提寺について聞かれたが、夫と一緒にお墓参りをしたことはほとんどなく、場所も名前も曖昧。浄土宗ということだけはわかっていたので、ひとまず浄土宗の形式で進めてもらった。 僧侶の手配、戒名などの手続きも、すべて葬儀会社がやってくれた。しかし、ここで問題が発生する。