悩める日銀・植田総裁は「利上げ」を虎視眈々と狙っている…!次の決定会合で可能性が高まる「利上げ」と「住宅ローン」のヤバすぎる関係
「日銀・利上げ」、第3弾はまもなくだ…!
筆者は日銀が12月18・19日に開催する金融政策決定会合(以下、決定会合)で、0.25%の追加利上げを実施する可能性が極めて高いと見ている。 【一覧】神、バフェットが日本にまた降臨! 期待大の「全25銘柄」はこちら! 日銀は今年3月にマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切った。7月には0.25%の追加利上げを実施した。次の決定会合で追加利上げが行われれば、今年、3度目となる。 すでに民間の金利はジリジリと上昇している。 住宅ローンでは借入れている変動金利型の金利の引き上げが行われているが、一段の利上げとなれば、物価高に加え住宅ローンの返済額増加という負担が襲いかかることになる。 日銀が12月決定会合で利上げを行うと考える理由を説明しよう。その背景には2つの要因がある。
植田総裁の発言の変化に「利上げの兆候」
第一は、植田和男総裁の発言内容が大きく変化したことがある。 植田総裁は9月の決定会合後の会見で、(次の利上げを判断するまでには)「時間的余裕はある」と発言し、追加利上げを急がない姿勢を示していた。ところが、10月の決定会合後の会見では、一転して「『時間的余裕はある』という表現を使うのをやめた」と発言し、「今後は、政策決定は会合ごとに判断する」としたのだ。 9月の「時間的余裕はある」という総裁の発言を受けて、市場では日銀の新たなフォワードガイダンスと受け止め、しばらくは利上げは行われないと見られていた。それが、翌月にあっさりと前言はひるがえされたのだ。 植田総裁の発言は“猫の目”のように変化したのはなぜなのか。これを見ていこう。 まず、9月の決定会合の会見で、「時間的余裕はある」と発言した理由について、植田総裁は次の3点を挙げた。 1.金融市場の不安定な動きが続いている可能性 2.円安修正で物価見通しの上方リスクが低下した 3.米国経済に下振れリスク 筆者は、この3点のほかにも、政治的な要因があったとみている。 9月に行われた自民党総裁選の前後、次期総裁の有力候補とされていた石破茂氏が追加利上げに否定的な考えを持っていることが報道された。そこで、植田総裁は石破政権発足を見据え、石破政権からの利上げを牽制する政治的な圧力を、「時間的余裕はある」と発言することで、かわそうとしたのだろう。 しかし、その状況は大きく変化した。10月27日に行われた衆議院選挙では自民党が大敗、公明党との連立政権は過半数を維持できなかった。