日本上陸「Apple Vision Pro」を試した 買う気がなくても、まず無料で体験すべし
■装着感は快適だが、時間が経つと重さが気になった 試用していて気になる点もいくつか発見しました。その1つが「専用アプリの少なさ」。現状では、あのYouTubeもアプリが存在しないなど、Apple Vision Pro用アプリはまだまだ発展途上といえます。さらに、米国のアカウントなら入手できるものの、日本のアカウントではまだ入手できないアプリも意外に多いと感じました。日本での販売を受け、日本でも続々とリリースされると思われますが、米国並みの充実には少し時間がかかりそうです。 600gを超える重さも気になったポイント。1時間ほど使っているとだんだん重さが気になり、外してみるとオデコのあたりが少ししびれた感覚になっていました。標準で2種類のバンドが付属するので交換しつつ使ってみましたが、大きな変化は感じられませんでした。個人差はあると思いますが、事前の試用で重さはしっかり確認した方がよいでしょう。 最大の壁は、やはり60万円近い価格。24回の分割払いも用意していますが、それでも毎月25,000円の支払いは大きな出費です。iPhoneのように、2年後の返却を前提に月々の支払いを抑えられる購入方法があるといいなと感じます。 ■当面買う気のない人も、まずはストアで体験してほしい Apple Vision Pro、アプリのラインナップや価格などの課題があるため、アプリ開発など仕事ですぐに必要という人でなければ、少し待ってみるのも悪くないでしょう。3~4カ月も経てば、Apple Vision Pro対応アプリやサービスもグンと充実してくるはずなので、その段階で改めて購入を検討すればよいと思います。 しかし、Apple Vision Proがもたらす空間コンピューティングの新しい体験は、買う買わないにかかわらず誰でも一度は試してほしいと感じます。文章と画像でまとめた今回の記事では、Apple Vision Proの魅力の1割も伝わらないと思うからです。特に、エンターテインメント系のコンテンツは現時点でもそこそこ充実しているうえに驚きも感じられるので、体験する価値はあります。 全国のアップルストアでは、専任スタッフのレクチャー付きでApple Vision Proが30分ほど体験できます。事前にWebで予約する必要はありますが、もちろん料金はかかりません。すでに、どのストアも土日の予約は埋まっており、平日も取りにくくなっています。いち早く体験した人からの「思っていた以上にすごかったから一度試してみなよ」という口コミが広がり、この夏「Apple Vision Proの体験」がちょっとしたブームになる可能性もありそうです。
磯修