日本上陸「Apple Vision Pro」を試した 買う気がなくても、まず無料で体験すべし
大きなインパクトを感じたのが、スポーツ中継のコンテンツ。メジャーリーグ「MLB」のアプリでは、中央の大きな中継画面に加えて現在のスコアや選手のデータ、配球の履歴など多くの情報をズラリ表示。バスケットボール「NBA」のアプリでは複数の画面が並び、異なる視点や他試合の状況も欲張りに楽しめます。ゴルフ「PGA Tour Vision」アプリでは、3Dで描かれたコースが手前に表示され、選手のショットの軌跡もリアルタイムに確認できます。F1などのモータースポーツの中継アプリが登場すれば、さらに面白くなりそう。いずれにしろ、Apple Vision Proでの新しい中継の形を体験すると、1つの画面しかない普通のテレビでの視聴がとても物足りなく感じるはずです。
3Dで撮影した映像もなかなかのインパクトでした。Apple TV+契約者なら無料で視聴できる「Apple Immersive Video」では、アーティストがスタジオで歌う様子が目の前で楽しめ、息づかいも伝わってくるようで大迫力でした。アーティストのライブや芝居も、この技術を使えば最前列よりも間近で見られるわけで、“推し活”に人生を賭けている人にとっては見逃せないアイテムになる可能性があります。
エンターテインメント系のコンテンツでは、米MARVELの「What If...? An Immersive Story」が新鮮でした。映画とインタラクティブな要素が合わさった体験型のコンテンツで、まるで人気テーマパークのアトラクションに参加しているかのよう。待ち時間ゼロで体験できるだけでなく、体が悪かったりしてテーマパークに足を運べない人もリアルな体験ができるのは大きな可能性を感じます。
先ほど、iPhoneやMacに接続しなくても使えると解説しましたが、Macと連携させればApple Vision ProをMacの外部ディスプレイとして使えます。連携はきわめてスマートで、ケーブルを接続する必要はなく、Apple Vision Proを装着して自分のMacを選ぶだけ。すると、目の前にMacの画面が現れ、物理的なディスプレイよりも大きく見やすい環境で作業できます。Parallels Desktopを導入していれば、Windowsの画面も表示できました。次期バージョンのvisionOS 2では、さらにワイドな表示にできるので、より作業効率が高まりそうです。机上のスペースを専有する大きな外付けディスプレイは、もう必要なくなるかもしれません。