セレッソ大阪がフォルランを獲得した本当の理由
Jリーグの舞台で、久しくお目にかかれなかったワールドクラスのビッグネーム、ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(セレッソ大阪)が12日に来日し、ホームの長居スタジアムで入団会見に臨んだ。 ■流暢な日本語で入団会見 来日前にウルグアイの日本大使館で、夫人とともに日本語のレッスンを受けてきたというフォルランは、冒頭で「こんばんは、日本の皆さま。はじめまして、ディエゴ・フォルランです」と流暢な日本語を披露し、異例とも言える第一声を刻んだ。 「以前から日本のファンでした。過去に3回、日本に来たことがあります。素晴らしいおもてなしを受けました。たくさんの夢と希望を持ってきました。いい成績を残せるように全試合、努力します。どうもありがとうございました。おおきに」 昨シーズンのセレッソは、J1で4位に入ってACL出場権を獲得したが、リーグで3番目に少ない32失点と守備陣が奮闘した一方で、総得点53は7位に甘んじた。FW柿谷曜一朗が、リーグ3位の21ゴールとブレークを果たしたものの、他の選手ではMF山口螢の6ゴールが最高だった。 リーガ・エスパニョーラで2度の得点王を獲得し、ワールドカップ南アフリカ大会でも、得点王とMVPを獲得したフォルランの加入は、セレッソの攻撃力を間違いなくレベルアップさせるだろう。 初のタイトル獲得を狙うための即戦力であると同時に、フォルランの加入には、もうひとつの効果が期待されている。それは24歳の柿谷をはじめとする若手への刺激と教科書となることである。 ■フォルランの獲得は柿谷を成長させるため 元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は「未来への投資と言ってもいい」と断言する。 「柿谷はオフの海外移籍が取り沙汰された中で、セレッソ残留を決めた。ワールドカップブラジル大会をにらんでの決断だろうし、誰よりも柿谷自身が海外移籍はまだ早い、日本で揺るぎない結果を残すのが先だと考えたのだろう。真価を問われるシーズンに臨むに当たって、柿谷を一人前のストライカーに成長させるための補強がフォルランだと思っている。現状に決して満足することなく、順調に推移してきた流れを継続させていく意味でも、柿谷はメンタル面でさらに大人になる必要がある。技術面うんぬんよりも精神面を成長させるための指南役として、人格的にも優れていると言われるフォルランは打ってつけの存在となるのではないか」