「肥溜めのような国から来た」…大炎上!トランプ前大統領「まだまだある」耳を疑う「暴言&妄言録」
「分断を招く、無礼な見世物だ」 カマラ・ハリス副大統領(59)は自身の選挙集会で、不快感を露(あらわ)にした。原因は、アメリカ大統領選の対抗馬であるドナルド・トランプ前大統領(78)から浴びせられた「暴言」にあった。 【若き日の秘蔵写真】すごい…!肩が露出したドレスで人目を引いた "ハリス副大統領" 「ハリスは突然黒人になった」 この発言が飛び出したのは、7月31日にシカゴで行われた黒人ジャーナリスト協会の会合だった。発言は大きく取り上げられ、大炎上が続いている。 「世論調査のポイントはハリス氏と拮抗しています。この焦りが多少はあったかもしれませんが、思わず口にしたのではなく、話題になると計算しての発言でしょう」(上智大学教授で現代アメリカ政治・外交が専門の前嶋和弘氏) トランプ氏の問題発言が飛び出した会合をライブで取材していた国際ジャーナリストの山田敏弘氏も「トランプ氏の発言は選挙対策」と見ている。 「会場では笑いが起きていました。ハリス氏は、父親が黒人であることを昔から公言しています。ところが、トランプ氏は『ハリス氏が選挙のため、最近になって黒人がルーツだと主張し始めた』と嘘をついたのです。ハリス氏を快く思わない黒人有権者からの票を手にしたいという狙いが透けて見えます」 言うまでもないことだが、トランプ氏の暴言は、今に始まったことではない。 「トランプ政権誕生前の’11年3月から’16年9月にかけてFOXニュースのインタビューや自身の集会で、当時のバラク・オバマ大統領(63)を『ケニア生まれだ』『アメリカ生まれではないから大統領になる資格がない』としつこく″口撃″し続けた。すぐデマだとわかる発言ですが、反オバマ派はこれを支持した。アメリカ社会にトランプ氏に共感する層が想像以上にいることを炙り出しました」(前出・前嶋氏) 差別発言は、移民に対しても向けられている。前出の山田氏が語る。 「エルサルバドルからの移民は『肥溜めのような国から来た』、メキシコからの移民は『犯罪や麻薬を持ち込む』『米国の血を汚している』と言いたい放題です」 ’15年9月には雑誌のインタビューで、指名候補争いをしていた女性候補のカーリー・フィオリーナ氏(69)に「あの顔を見てみろ! 次の大統領の顔があれだって?」と発言。ルッキズムだと猛批判を浴びた。 自身の信条である「アメリカ第一主義」をアピールするため、他国を引き合いにした「妄言」も繰り返している。 「ロシアのウクライナ侵攻を『私が大統領なら、24時間以内に終わらせる』と豪語しています。米国はウクライナ支援を止めるべきだとも。公開討論会中のジョー・バイデン氏(81)に『お前はパレスチナ人だ』と言い放ったのも、パレスチナに回すカネがあるなら、それを米国内に還元しろというメッセージが込められている」(全国紙外信部記者) 今年7月にも耳を疑うような問題発言をしている。前出の山田氏が解説する。 「’21年1月にトランプ支持者がアメリカ連邦議会を襲撃し、死者5人を出す大惨事が発生しました。その実行犯らに『大統領に再選すれば恩赦を与える』と言い出したのです。民主主義を根底から否定し、犯罪を煽る発言で、″今年の選挙で負けたらまた同じように動け″と支持者を煽っているようにも受け取れます」 度を過ぎた暴言が繰り返される選挙戦に、前出の前嶋氏は呆れるばかりだ。 「それでもトランプ氏は自分の支持層は固められるでしょうが、限界がある。アメリカ全体のリーダーになれる強い候補ではない。そんなトランプ氏と競っている段階で、ハリス氏も同レベル。弱い候補者同士が接戦を展開しているため、トランプ氏が違いを出そうと暴言を連発している。それが今の状況と言えます」 暴言王が再選してしまうのか。アメリカ国民は、難しい選択を迫られている。 『FRIDAY』2024年8月23・30日合併号より
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