実家を相続したが…売却までの流れを「相続専門税理士」が解説、失敗しない相見積もりの取り方とは?
不動産を相続したものの、売却を希望しているという人は少なくありません。不動産の売却には不慣れだと、どこから着手すべきか、また、なにに注意すべきかわからないと思われます。相続専門税理士の岸田康雄氏がやさしく解説していきます。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
不動産売却ではまず業者による「価格査定」を!
不動産を売却する際、最初にすべきは不動産業者による価格査定です。不動産の価格は、取得時からの経過年数や建物の状況によって変化するため、業者による査定が必要になります。 査定の際、土地の場合であれば、駅からの距離が近い、角地である、南面道路に接している、整形地である、きれいな街並みである…といった「その立地なら住みたい」と思う人が多いような条件に当てはまった場合は、価格がプラスされます。 査定後に提示される価格は、不動産業者が買主探しを行う場合に、概ね3カ月以内に買主が決まる見込みの価格です。
仲介手数料や費用の目安は?
査定の後、売却を決断したあとは不動産業者に依頼することになりますが、その際に気になるのが不動産業者に支払う仲介手数料や費用でしょう。 仲介手数料は、不動産取引が成立したときに不動産業者へ支払うことになります。 仲介手数料は、400万円超の成約価格の場合、〈売買価格×3%+6万円〉に消費税を加えた金額です。仮に4,000万円で成約した場合、次のような計算となります。 (4,000万円 × 3% + 6万円)×(1+10%)= 1,386,000円 それ以外にかかる費用としては、契約時の印紙代、ローンの一括繰り上げがあれば、返済手数料や、抵当権の抹消登記費用が必要となります。 そのほかにも、土地の測量費用は売主が負担します。家屋も売る場合は粗大ごみの回収費用、更地にして売却する場合は家屋の解体費用を、売主が負担するケースもあります。
売却の成否は「不動産業者選び」で決まる
不動産の売却で最も重要となるのは、不動産業者選びです。ここで売却の成否が決まるといっても過言ではありません。 最近は「一括査定サイト」がありますので、大手から中小まで複数の不動産業者へ一斉に問い合わせることができます。 その際、重視すべきは査定価格の高さではありません。査定価格は、どこの不動産業者のものも、そこまで大きく違いません。逆に、著しく高い査定価格を出してくる業者こそ注意を払うべきだといえるでしょう。 不動産業者のなかには、仲介の仕事がほしいがために、高めの査定価格を出す業者も見かけます。このような業者に依頼しても、提示された査定価格通りに売れるとは限らず、むしろ実際の売り出しでは、売買価格を下げて売却することもままあります。