【更年期の手指の痛み】手指が痛んだり、こわばったり…整形外科で「年のせい」と言われたらエクオールのサプリや婦人科受診も考えて
更年期に手指の不調で悩む方が多くいる。「関節にはエストロゲンの受容体があり、エストロゲンが豊富なときにはなめらかに動いてくれるけれど、エストロゲンが減少することによって関節にも不調が起こる」と産婦人科医の吉形玲美さん。受診する科によって対応が違う場合もあるので、自分に合った受診先を見つけることも必要だ。今回は更年期の手指の痛みについての疑問に答えてもらった。
Q. 手指がこわばり、動かしにくいです。整形外科では「年だから仕方がない」と言われたけれど?
A. 女性ホルモンの減少が原因のひとつです。エクオールのサプリだけで回復する人もいます 「日常的に手指をよく使う人に多い、あるある症状です。少し専門的ですが、各臓器(関節も含む)にはエストロゲンの受容体があります。エストロゲンがきちんと作用するのはこの受容体が受け止めてくれるから。エストロゲンがふんだんにあるときは、関節もなめらかに動いてくれていました。 それが更年期になると、エストロゲンが受容体に入ってこないので不具合が起きてしまう。手指の関節に腫れや痛みが出るのもそれが原因です。手指などの関節については、エクオールがエストロゲンの代役を果たせることが知られてきました。もちろん全員が回復するわけではないのですが、サプリメントは試してみる価値があると思います」(吉形先生)
Q. 手指の関節が腫れて痛みもあります。リウマチではないかと心配ですが、何科に行けばいいのでしょう?
A. かかりつけの内科や婦人科でOKです。整形外科、膠原病(こうげんびょう)内科などではより詳しく調べてくれます 「更年期で手指の痛みがある人には、婦人科でも関節リウマチの検査をしています。血液検査でわかるので、かかりつけの内科でも大丈夫です。スクリーニングとして、おもに3つの項目を調べます。リウマトイド因子(RF)・抗シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)・CRP(C反応性タンパク)、これらの検査で異常値があれば、整形外科や膠原病内科を受診し、より詳しい検査をしてもらいます」
Q. PC作業が続くと指の関節が腫れます。軽いヘバーデン結節と診断されましたが、何も治療してもらえないのは普通ですか?
A. 医療機関によりけりです。手指を使いすぎたときは、ぜひセルフケアを。関節が変形してしまう前に、婦人科を受診するのが賢明です 「手指の痛みは治療法・対処法に医療機関で差があるのが現状です。整形外科では、ヘバーデン結節などは『関節の変形が進んだら手術をしましょう』と言われておしまいのこともあります。逆に注射を打ってよくなるケースもあるし、手の使いすぎをやめて休ませたら治ることも。 それでも婦人科領域では、手指の関節にエストロゲンがかかわっていることは明らかなので、変形が始まる前であれば、HRTで変形の予防も期待できます。サプリメントのエクオールもおすすめ。早くにケアをしていたら変形しないで手術もしなくてすむかもしれないので、希望は捨てないで!」 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) イラスト/AZUSA 構成・原文/蓮見則子