自立した子に育てたいなら…子どものうちに身につけさせるべき「2つのマナー」
最初はうまくできなくていい
ここまで読んで「うちの子に時間の使い方を自分で考えさせると、遊んでばかりで結局親が宿題をやらせることになる……」と思った人も多いことでしょう。 はじめのうちは、それでいいと思います。 もし、お子さんが宿題をあとまわしにしてゲームをしてしまっても、次のように声かけして、子どものモチベーションを上げてあげましょう。 まずは好きなことを認めるように、「ゲーム大好きなんだね」と寄り添ってから、「宿題を終わらせてスッキリすれば、もっと集中してできるよ。一緒に手伝ってあげるから宿題持っておいで。早く終わったら、そのぶんボーナスタイムで遊ぶ時間を増やしてあげるから頑張って!」と、ちょっぴりニンジン(ご褒美)もぶら下げながら応援してあげるのです。 「ニンジンをぶら下げないとやらない子になってしまうのではないか」と心配する人もいますが、大人だって行動を起こすのには、何かしらのモチベーションが必要です。ニンジンはあくまでも動機づけだと考えましょう。 なお、ニンジン(ボーナスタイム)につられて、宿題を先に終わらせられたときには、「今回は宿題を先に終わらせようという計画性があったね。早く終わらせられた集中力も抜群だったね。ゲームを我慢できたのが自制心だし、宿題をやりきってスッキリしているのは達成感というものだよ」などと、子どもの起こした行動の1つひとつに、あとづけでいいので意味を持たせて声かけすることがポイントです。 こうすることで、同じ「ニンジンにつられた」行動でも、子どもは「無理に宿題をやらされた」ではなく、「自分で考えて行動できた」と感じます。 すると、自分で自分の成長を感じられますし、それが積み重なると徐々に時間管理のメリットを理解するようになり、最終的にはニンジンがなくても自主的に行動できるようになっていくのです。
子どもの乱暴な言葉遣いに親が慣れてはいけない。 しつこく注意しよう
子どもに教えておいてほしいマナー、2つめは「ていねいな言葉遣い」です。 私がイギリスに語学留学していたときのホームステイ先では、家族間の些細なお願いにも「Please」をつけていました。そして、何かしてもらったら即座に「Thankyou」とお礼を言い、言われたほうは「You are welcome」と返す。この流れが徹底されていたことに驚きと感動を覚えました。 これは、アメリカでも同じでした。 どんなに小さな子どもでも、お願い事をするときは「Please」をつけないと聞き入れてもらえません。何かをほしがってぐずっていたとしても「マジックワード(魔法の言葉)は?」などと、「Please」と言えるまでしつこく催促されます。 さらに「Thank you」もかなり催促され、きちんと言えれば、にっこり微笑みながら「グッド・ボーイ(ガール)」と大げさに褒められますので、子どもたちは頑張ってマジックワードを習得します。もちろん、わが家でも子どもにもその習慣を徹底していました。 そのおかげで、日本に帰国してから、子どもたちが、「お願いします」「~してください」「ありがとう」と、私に言うのを聞いたほかのご家庭の方から、「お子さんたちが、ママに対してとても礼儀正しくてびっくりした」とよく言われました。 なかには、「とって!」「持って!」「読んで!」など、親に命令口調で伝える癖がついてしまっているお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。親のほうもそれに慣れすぎていて、特に注意することなくやってあげている場合も多いでしょう。 わが家では、柔らかく「〇〇してくれる?」や、「〇〇してね~」という表現はOK。しかし、「水!」や「水とって!」のように、命令的な言葉を使ったときには、「お水をとってください」と言えるまで、「え? なんですかその言い方は(笑)」と、笑顔で聞き返していました。 もちろん、気持ちのいいお願いフレーズを言えたときには、「はいどうぞ」と笑顔で対応することも忘れないよう意識していました。