「勝ち点を意識しろ、相手は気にするな、自分と向き合え」初のリーグ優勝へ、首位独走中の指揮官が語る“追われる立場”の心構え|フットサル
誰が監督でもピッチに立てる“タフ”な選手に
──退任を12月前半で発表したのは、どのような意図があったのでしょうか? リリースにも書きましたが、今すごくいいチームになってきた反面、5年間率いてきたなかで、おそらくマンネリ化している部分もあると感じていました。 自分がこの先クラブを率いることが正解なのか、誰か次の指導者に渡すことが正解なのかはすごく悩みましたが、シーズン前には、どんな結果であろうと今シーズンが最後だと自分は決めてから入りました。 いつどこで発表するかについては、早く発表することで、もしかしたら私の選手時代に浦安のフットサルを見てくださったファンの方に「小宮山が辞めるなら見に行こうかな」と思ってもらえたり、昔から応援してくださっている方が興味をもってくれて「浦安のフットサルおもしろいよね」「今1位なんだ、強いじゃん」と注目してほしいなという思いもありました。 自分が監督を辞めるにあたって、なにがクラブのためになるのか、選手たちのためになるのいかを考えた時に、ファイナルシーズンも地方ですし、全日本選手権のギリギリの時に発表しても、試合を見に行きたくてもいけない人もいるのかな、と。ホームゲームが残っている12月頭に発表することがいいのかなと考えて、あのタイミングでの発表になりました。 現状1位のチームの監督が退任するのは、なにかあったのかという心配の声もたくさんいただきましたが、なにかしでかしたわけではないですし、クラブと揉めてもいません(笑)。 ──退任について、選手たちにはどのタイミングで伝えましたか? 11月の終わり、代表の遠征前の全員がいる時に選手たちには話をしました。就任した時からずっと言っていますが、このクラブにどんな監督がきたとしても、いい選手はどんな監督の元でも出られる。全員にそういった選手を目指してほしいと伝えました。 もう一つは、俺はやめるけど、このクラブが17年間積み上げてきたフィロソフィーは変わることがないし、みんながどんな選手になっていくかも楽しみにしている。でもまず今シーズンはタイトルをもう少しで取れるところにいるわけで、これを取らないということはないよ、と。それは俺がやめるとかは関係なく、選手として目の前の練習、試合に100%で取り組むことは当たり前で、タイトルを獲るためにやるべきことをやっていこうと伝えました。 それが、その先の代表活動にもつながっていくと思っています。浦安で結果を出して、Fリーグでタイトルを獲ることで、今浦安の代表選手は4人だけど、5人目、6人目になってもおかしくない。自分がそこに入っていきたいのであれば、やるべきことがあるんじゃない?と。俺はそのために、背中を押し続けるだけです。背中を押しているどころか、選手たちは押しすぎと思っているかもしれないですが。 ただ、今時の選手なので、ショックを受けている選手はいませんでしたけどね。泣くやつとかいるかなと思ったら、特に誰も。みんな「あっそう」みたいな(笑)。レアンドロが鼻を啜っていたので「お、泣いてるか?」と思ったら、ただ鼻をすすっただけで。ロドリゴとかイゴールは「もっと一緒にやりたかった」と言ってくれましたが、彼らはそういう国民性なので伝えてくれますけど、日本人は別に、さっぱりしていました。 でも、そういうもんだとも思うんですよ。情が入ったら良くないと思うし。自分は監督になってから、この5年間で誰とも飯を食ったことはありません。ピッチ外では、全員と本当に公平に接してきました。特別誰かと仲が良いとか、誰かとだけ話すというのもなく、とにかくピッチの中で表現してくれ、と。プレーが良ければ使うし、良くなければ使わない。それだけだと伝えてきたので、誰が監督でもピッチに立てるような、自分の長所はこれと言えるような、タフな選手になってほしいと思っています。
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