「プレミア12」侍J選出ゼロだった阪神、ロッテ勢から東京五輪代表は出てくるのか?
野球の世界一を決める「プレミア12」は日本の初優勝で幕を閉じた。ここから始まるのが来年の東京五輪代表の座を巡る戦い。今大会では28人がベンチ入りできたが、東京五輪では4人減って24人となる。稲葉篤紀監督は「今大会のメンバーが土台」との考えを明らかにしているが、今大会には阪神、ロッテからは一人も選ばれなかった。両チームから侍ジャパン五輪代表に選ばれる選手は生まれるのだろうか?
阪神で選出可能性があるのは4人
“世界の頂点”に立った侍ジャパンだが、28人のメンバー全員が全員、最初から最後まで力を発揮したわけではない。東京五輪代表に当確ランプが灯った選手と黄色ランプとなった選手に分かれたことは確かだ。投手陣から見ると、勝利の方程式を確立した甲斐野央(ソフトバンク)、山本由伸(オリックス)、山崎康晃(横浜DeNA)の3人は当確だろう。先発陣からは、今永昇太(横浜DeNA)、対国際試合に威力を発揮した“サブマリン”高橋礼(ソフトバンク)も外せない。田口麗斗、大竹寛、中川皓太の巨人勢もいい仕事をした。変則左腕として嘉弥真新也(ソフトバンク)も効果的だった。山口俊(巨人)は不安定だったが、メジャー移籍でいずれにしても呼べない。 一方、野手に目を向けると4番でMVPに輝いた鈴木誠也(広島)、動くボールに適応した浅村栄斗(楽天)、ユーティリティの活躍をした外崎修汰(西武)、決勝で逆転本塁打を放った山田哲人(ヤクルト)、リード面で投手陣を支えた會澤翼(広島)らは当確だろう。代走のスペシャリストとして周東佑京(ソフトバンク)も存在感を示した。微妙なのは、変則の海外投手に短期間で対応できなかったDHの吉田正尚(オリックス)、最後に目覚めたが内容としては褒めたものではなかった坂本勇人、丸佳浩の巨人コンビ。打率.125の不振に終わった松田宣浩(ソフトバンク)、そしてメジャー挑戦を明らかにしている菊池涼介(広島)、秋山翔吾(西武)らの動向だろう。 優勝の一夜明け会見で、稲葉監督は「このメンバーが土台になる」とした上で、「五輪になると人数が少なくなる。代えがいなくなる分、本当に人選というものを慎重にしなければいけない。非常に難しくなってくる」と話した。 さて阪神、ロッテ勢に割り込む余地があるのかという本題である。 阪神でSDを務めていた掛布雅之氏は、「プレミア12の優勝の場に阪神の顔がなかったのは寂しかった。阪神勢で代表入りのチャンスがあるとすれば高橋遥人、大山悠輔、梅野隆太郎、近本光司の4人じゃないですか。ロッテは、捕手の田村龍弘、落ちるボールのコントロールに安定感のある益田直也、今季伸びた種市篤暉、WBCの経験がある石川歩らでしょう」という意見を持つ。 なぜ掛布氏は、阪神から高橋、大山、梅野、近本の4人の名前を候補として挙げたのか。