〈甲斐FA人的補償〉巨人・小林がソフトバンク移籍すれば三方よし…巨人ドラ1の呪縛から解放されるとき
巨人の過去10年間のドラフト1位で活躍したのは2人だけ
小林が2013年、社会人野球の名門・日本生命からドラフト1位で巨人に入団したのに対して、甲斐は強豪校とはいえない楊志館高校から育成ドラフト5位でソフトバンクに入団している。 伝統ある巨人のドラフト1位という看板のもと野球エリートとして踏ん張ってきた小林。 地元球団で育成ドラフトから無名選手として這い上がってきた甲斐。 これまで国際大会の経験も豊富で多くの修羅場をくぐり抜けてきた2人だが、小林が入団当初から背負った重圧は計り知れない。 「今年から数えて過去10年間の巨人のドラフト1位で、その指名順位にふさわしいといえる成績を残した選手は吉川尚輝と大勢の2人だけです。これだけ少ないと『巨人ドラ1の呪縛』があるのかとまで思ってしまいます。 逆にいえば、それだけ巨人のドラフト1位というのは重い。小林がこれまで背負ってきた巨人軍のユニフォームを脱いだときに、フレッシュな気持ちでもうひと花咲かせることができるのでは……」(球界関係者) さらに、ソフトバンクは今季開幕時点の球団別支配下選手の平均年齢で25.91歳と12球団で2番目に若いチームだ。ポジション別の平均年齢で捕手部門はさらに若く25.00歳となっている。甲斐というチームの中心であり、ベテランが抜けた若いチームにとって小林はうってつけの人材といえるだろう。 「甲斐が抜けた後のソフトバンクの正捕手候補は27歳の海野隆司です。今季は出場機会を増やして51試合に出場しましたが、まだまだ一人で担えるほどの選手ではありません。ソフトバンクにとって甲斐が抜けた後に大ベテランの小林は願ってもない選択肢なはずです。 小林は来季で36歳になります。いくら捕手の選手寿命が長いといっても、現役生活はそう長くはないでしょう。引退後のキャリアを考えても、セリーグ以外の野球、巨人以外の球団での野球を知ることは、小林にとっても球界にとっても大きな財産になると思います」(前同) はたして、球界を代表する捕手の移籍はあるのだろうか。 取材・文/集英社オンライン編集部
集英社オンライン編集部